2019 Fiscal Year Research-status Report
自然リンパ球とTLRに着目したアトピー性皮膚炎におけるバリア機能異常の制御
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18K08268
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
杉田 和成 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (40412647)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然リンパ球 (innate lymphoid cell、以下ILC)は、3つのサブセットからなり、そのうち、ILC2はアトピー性皮膚炎や気管支炎喘息などのアレルギー炎症に関与している。皮膚においても、表皮直下にILC2が存在することが知られており、皮膚炎症のイニシエーターとしての役割も示唆される。本研究は、生体に侵入した病原体を速やかに認識する、トル様受容体(Toll-like receptor, 以下TLR)に着目し、ILC2の制御法について、明らかにするものである。本年度は、末梢血より分取したILC2を用いて、ケラチノサイトとの共培養を行い、バリア機能を測定した。ILC2はヒト末梢血中の希少細胞であるため、セルソーターを用いて、細胞を分取し、さらに本研究に用いるため、培養、増殖させた。ILC2とケラチノサイトの共培養において、ILC2存在下では、皮膚バリア機能が抑制することを経表皮電気抵抗やFITC-dextranを用いた細胞間隙透過性の評価によって確認した。さらに、この実験系とは別に、ケラチノサイトにTLRリガンドを加え、ケラチノサイトを培養したところ、経表皮電気抵抗が上昇する一方、FITC-dextranを用いた細胞間隙透過性は低下した。さらに、本実験系に、ILC2を加えると、皮膚バリア機能はTLR刺激下でみられたバリア機能の亢進が、抑制された。このことは、TLR刺激によって、ケラチノサイトを介してILC2の機能に影響を及ぼした可能性とTLR刺激がILC2を直接的に作用し、その機能を修飾した可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ILC2のTLR刺激下でのバリア機能について検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
共焦点レーザー顕微鏡を用いた形態学的な評価ならびに異なるT L R刺激下でのバリア機能についても検討する。
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[Journal Article] Human type 2 innate lymphoid cells disrupt skin keratinocyte tight junction barrier by IL-132019
Author(s)
Sugita K, Altunbulakli C, Morita H, Sugita A, Kubo T, Kimura R, Goto H, Yamamoto O, Rückert B, Akdis M, Akdis CA.
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Journal Title
Allergy
Volume: 74
Pages: 2534-2537
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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