2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K08273
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武居 公子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90325861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海川 正人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00325838)
丸山 一郎 沖縄科学技術大学院大学, 情報処理生物学ユニット, 教授 (70426568)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 有棘細胞癌 / 悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケラチノサイトモデル細胞株であるPam212細胞はマウス皮下に接種すると有棘細胞癌原発巣を形成するが、殆ど転移しない(低転移細胞株、親株)。これに対して、Pam212細胞の稀な転移巣から樹立された娘細胞株はマウス皮下に接種すると原発巣の他に高率に転移巣を形成する(高転移細胞株、娘株)。このことから、低転移細胞株と高転移細胞株の間で発現量に差のある分子が腫瘍の転移能力や悪性化に影響している可能性があると考えられる。両細胞株における遺伝子発現変化の影響を確かめる為に、網羅的遺伝子発現比較解析を行い、高転移細胞株で発現低下している遺伝子を同定し、有力な候補遺伝子を高転移細胞株に発現導入した。候補遺伝子発現導入細胞株と対照細胞株をそれぞれマウス皮下に移植したところ、現時点で腫瘍の生着・局所における増大・リンパ節転移・他臓器転移の状況に差は見られていないが、候補遺伝子発現導入細胞株由来腫瘍において浸潤する単球の数が多い傾向があった。更に、免疫染色では浸潤した単球には当該候補分子が発現していた(F4/80と共発現)。腫瘍に浸潤する単球系細胞は腫瘍関連マクロファージ(tumor-associated macrophage TAM)として腫瘍免疫や腫瘍の微少環境形成に重要な役割を果たしていると考えられている。当該の候補遺伝子は有棘細胞癌臨床検体における試験的免疫染色でもTAMに発現陽性を示している。申請者らは当該候補分子が細胞骨格の制御や正常な細胞極性の維持、細胞内輸送に関与することを既に報告しているので、当該候補分子がTAMの遊走、局在や集積などを含めた腫瘍微少環境に関与する可能性を考え、更に解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補分子の発現導入細胞を樹立し、蛋白発現していない対照細胞と共に動物接種実験を行い、得られた結果を基に更なる解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
有力な候補分子のノックアウトマウスを有しているので、候補分子の腫瘍免疫における働きを動物実験で明らかにして行く。
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Causes of Carryover |
研究代表者の負傷による動物実験不能期間が生じたため、飼育動物数が減少し、当初計画よりも動物飼育費用が減少した。この間、既に得られた検体の免疫染色や病理解析を進めた。
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