2022 Fiscal Year Annual Research Report
A search for novel cancer stem cell marker of cutaneous squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
18K08273
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武居 公子 琉球大学, 病院, 助教 (90325861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海川 正人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00325838)
丸山 一郎 沖縄科学技術大学院大学, 情報処理生物学ユニット, 教授 (70426568)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 有棘細胞癌 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍関連マクロファージ(TAM) |
Outline of Annual Research Achievements |
ケラチノサイトモデル細胞株であるPam212細胞はマウス皮下に接種すると有棘細胞癌原発巣を形成するが、殆ど転移しない(低転移細胞株、親株)。これに対して、Pam212細胞の稀な転移巣から樹立された娘細胞株はマウス皮下に接種すると原発巣の他に高率に転移巣を形成する(高転移細胞株、娘株)。このことから、低転移細胞株と高転移細胞株の間で発現量に差のある分子が腫瘍の転移能力や悪性化に影響している可能性があると考えられる。候補遺伝子発現導入細胞株と対照細胞株をマウス皮下に移植したところ、候補遺伝子発現導入細胞株由来腫瘍において浸潤する単球の数が多い傾向があった。更に、浸潤した単球には当該候補分子が発現していることを確認した(F4/80と共染)。腫瘍に浸潤する単球系細胞は腫瘍関連マクロファージ(tumor-associated macrophage TAM)として腫瘍免疫や腫瘍の微小環境形成に重要な役割を果たしていると考えられている。当該の候補遺伝子は有棘細胞癌臨床検体での免疫染色でもTAMに発現陽性を示していた。更に、マウス骨髄由来単球をM-CSF (macrophage colony stimulating factor) 刺激でマクロファージに分化させたところ、候補分子の発現が増強していた。マクロファージは病原体や寄生虫感染防御に働くM1型と組織修復などにかかわるM2型に大別されるが、腫瘍関連マクロファージはM2型の性質をもち、M-CSFで誘導されることが分かっている。予備的実験で、候補分子のノックアウト (KO) マウスでは、野生型同胞と比較して皮下に接種した腫瘍の増大速度が遅延した。実験中には腫瘍が生着しない個体も現れた為、更に個体数を増やして検討中である。また、候補分子はA、B、Cのアイソフォームを持つが、実験結果から、アイソフォームBが関与していると考えている。
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