2018 Fiscal Year Research-status Report
新規の天疱瘡抗体病的活性測定法による水疱形成機序の解析
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18K08278
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石井 健 東邦大学, 医学部, 准教授 (50296670)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 天疱瘡 / 自己免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
天疱瘡の病勢の評価方法としてELISA法などがあるが、抗原抗体反応を測定するため病勢と相関しない症例もあり、天疱瘡抗体の病的活性を直接測定する評価法が望まれていた。本研究では落葉状天疱瘡(PF)の自己抗体の細胞接着阻害活性を迅速に測定する方法を開発する。最近になり、天疱瘡の自己抗原であるデスモグレイン(Dsg)とデスモコリン(Dsc)の構造解析が行われ、DsgとDscがヘテロフィリック結合がデスモゾームの接着機構として重要であることが明らかになった。PFの自己抗原のDsg1、Dsc1組換え蛋白を哺乳類発現系作成し、ビーズに固相化しビーズ凝集法を構築した。Dsg1単独、またはDsc1単独では凝集反応はなかったが、Dsg1固相化したビーズとDsc1ビーズを混合したもので凝集反応を認めヘテロフィリック結合がDsg1同士のホモフィリック結合より強固であることが確認された。次に、既に単離してあるDsg1モノクローナル抗体とPF患者血清を用いて検討した。病的活性のある抗Dsg1抗体では凝集抑制がかかり、非病原性抗Dsg1抗体では凝集抑制がかからなかった。また8例のPF患者血清全例で凝集抑制がかかった。天疱瘡の水疱形成形成機序としてDsg分子接着の直接阻害、細胞内シグナルを介する間接的阻害が考えられているが、今回の結果から、PF血清中には、Dsg1とDsc1の結合を細胞内シグナルを介さずに抑制する抗体が存在することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に推移している。結果も仮説どおりの結果である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、患者血清の病勢と、ビーズ凝集抑制反応の相関性を検討する予定である。 また、尋常性天疱瘡の患者血清の検討も行っていく。
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Causes of Carryover |
概ね順調に研究は進んでいるが、検討する患者血清数が予定より少なかったため、次年度に使用する金額は発生した。次年度は、患者数を増やして検討する予定である。
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Research Products
(3 results)