2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Hyaluronan Biology in Inflammatory Skin Diseases and the Search for New Opportunities to Strengthen the Foundation for Drug Discovery
Project/Area Number |
18K08287
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水芦 政人 東北大学, 大学病院, 講師 (20400369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅之 東北大学, 大学病院, 助教 (40755302)
相場 節也 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80159269)
木村 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (90375056)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒアルロン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒアルロン酸は生体に必須の細胞外マトリックスのひとつである。生体内の50%のHAが皮膚に存在し、また真皮に存在しているヒアルロン酸は約1日で入れ代わるほど代謝速度が速いことが分かっているが、その機能的役割を果については明らかになっていない。我々は、3つのヒアルロン酸合成酵素(hyaluronansynthase: HAS)のうちHAS3が急性湿疹患者の表皮で強く発現し、in vitroでIFN-γによる刺激を受けた表皮細胞ではHAS3遺伝子が強く発現することを見出し、それを過去に報告している。急性湿疹を起こしている病変部位を皮膚生検し皮膚病理組織をみると表皮に海綿状態が形成していることから、HASの発現によってヒアルロン酸合成が促進され、周囲より水を表皮内に呼び込むことにより外来抗原を希釈するという自己防御反応をきたしていると推測される。そこでHAS3遺伝子欠損マウスで接触皮膚炎モデルを応用すると海綿状態を形成しないという仮設をたて、HAS3遺伝子欠損マウスに対して接触皮膚炎を発症され炎症皮膚の病理組織像を検討してみると予想に反して海綿状態を形成することが判明した。この結果からHAS3の遺伝子欠損が起こったとしてもHAS1あるいはHAS2の働きが関与している可能性が考えられる。本研究にてHAS1/3遺伝子欠損マウス、表皮特異的HAS2遺伝子欠損マウス、HAS3遺伝子欠損/表皮特異的HAS2遺伝子欠損マウスの作成を完了した。現時点でそれぞれの遺伝子改変マウスにてハプテン誘発性あるいは蛋白誘導性の皮膚炎にて検証を継続している。それぞれの皮膚炎モデルでランゲルハンス細胞の活性化の違いやIgE産生の違いがあることを見出した。さらに解析を進め、近日中に論文および学会発表を行っていく予定である。
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