2018 Fiscal Year Research-status Report
皮膚免疫の加齢変化における皮膚resident memory T細胞の役割の検討
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18K08291
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
細川 玲 (渡辺玲) 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60463866)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 皮膚resident memory T細胞 / 加齢変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
20歳以上のさまざまな年齢において、16検体より直径6mm大の皮膚と7ml相当の血液を回収し、T細胞レパトア解析を行ったところ、血液中T細胞、皮膚T細胞とも、細胞数は若年者、高齢者で相違がなかったものの、血液中T細胞は、有意に多様性が減じることが判明した。一方で、皮膚T細胞の多様性は高齢者でも低下しなかった。このことから、皮膚T細胞が、血中T細胞と比較して、加齢過程で多様性を保ちつづけることが判明した。サイトカイン産生については、血中T細胞と比較して皮膚T細胞は強いサイトカイン産生能を有し、加齢に伴い、IL-17産生傾向からIFNg産生傾向へシフトすることがわかった。また、皮膚T細胞は、加齢に伴い表皮内に蓄積される傾向があり、resident memory T細胞のマーカーの中では、CD8 T細胞におけるCD49aの発現が高まることがわかった。CD49a発現は細胞のIFNg産生と相関することが知られており、CD49a発現CD8 T細胞の増数が、加齢に伴うIFNg産生細胞の増数を反映していると考えられた。今後、血中T細胞をCFSEでラベル付けした後に加熱処理黄色ブドウ球菌・カンジダ・サイトメガロウィルス断片と共培養し、T細胞の増殖能、抗原応答性のサイトカイン産生の変化を見極めると同時に、皮膚片にこれらの抗原を直接注入し、皮膚T細胞の増殖をKi-67陽性率で評価し、サイトカイン産生能もフローサイトメトリーで検討し、加齢に伴う血中T細胞と皮膚T細胞の反応性の相違を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って順調に結果が得られている。皮膚resident memory T細胞分画自体の加齢変化も、複数のマーカーを比較した結果、その中でCD49aのみに加齢との相関が見られた。また、T細胞レパトア解析も症例数を集めることができ、血液で有意に多様性が下がる一方で皮膚では保たれることが判明した。本年度の研究計画にも着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、皮膚T細胞、血中T細胞の抗原応答性に着目し、上述のように複数の加熱処理あるいは断片化した抗原を用いて、T細胞の抗原応答性の増殖能、サイトカイン産生能が加齢に伴いどのように変化していくか比較検討していく。20歳から100歳までの幅広い年齢層からの検体収集を継続していく。同時に論文化の準備を進める。
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