2019 Fiscal Year Research-status Report
急性期褥瘡の病態解明と新規治療の開発:間葉系幹細胞由来エクソソームに着眼して
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18K08292
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
茂木 精一郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20420185)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
「褥瘡」とは、患者が体動困難(寝たきり等)となり、硬いベッドなどによって皮膚が圧迫 されて生じる皮膚病変(紅斑、紫斑、皮膚潰瘍)のことであり、一般には「床ずれ」と呼ばれる。加齢による様々な変化(脂肪・筋肉量の低下、骨突出、免疫能低下、知覚低下、創傷治癒力低下など)によって高齢者では褥瘡が生じやすく治りにくい。超高齢者社会の我が国においては、褥瘡患者数は増大し、褥瘡の予防・治療・管理の重要性が高まっている。褥瘡は皮膚潰瘍が生じる前の「急性期褥瘡」と皮膚潰瘍が生じた後の「慢性期褥瘡」に分類される。。急性期褥瘡を発見した時点では減圧や除圧以外に効果的なエビデンスのある治療法は確立されていない。そこで、我々は、皮膚潰瘍が生じる前の「急性期褥瘡(紅斑・紫斑)」を発見した時点で、その後の皮膚潰瘍形成を抑制できる新たな治療法を開発できないかと考えた。我々はこれまでに間葉系幹細胞の注入によって急性期褥瘡による皮膚潰瘍の形成が抑制されることとその機序について明らかにしてきた。そこで本研究ではエクソソームに注目して、急性期褥瘡への間葉系幹細胞由来エクソソーム注入による治療効果について検討することにした。これまでにエクソソームの注入による治療効果が明らかになりつつあり、その機序も解明しつつある。本研究の成果によって、急性期褥瘡からの皮膚潰瘍の発生を予防、抑制する治療を開発できれば、患者のQOL向上、医療費や人件費、労働量の削減につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにエクソソームの注入による治療効果が明らかになりつつあり、その機序も解明しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
解明しつつあるエクソソームの注入による治療効果と、その機序をもとに、さらに詳しい機序の解明をすすめていく。特に酸化ストレスと小胞体ストレス障害への関与を検索していく予定である。
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Causes of Carryover |
理由:予定していた予算に基づき使用していたが、未使用の予算が生じたため。 使用計画:予定している研究を遂行するための物品の購入に使用する。
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