2018 Fiscal Year Research-status Report
太陽光誘導皮膚がんの新規治療法の開発-D-DTをターゲットとした研究-
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18K08293
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
清水 忠道 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 輝彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90359711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | D-DT / MIF / 紫外線 / 温熱 / 光発癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Macrophage migration inhibitory factor(MIF)は多彩な生物学的作用を有するサイトカインであるとともに,p53の機能を制御する特徴を有し,アポトーシスを抑制する.近年,MIFの機能的ホモログであるD-dopachrome tautomerase(D-DT)は,MIFと同様に炎症性サイトカインの作用を有することが明らかとなった.申請者らはこれまでにMIFがp53の発現を抑制することで紫外線照射による表皮細胞のアポトーシスが抑制されて光発癌が促進することを証明し(Carcinogenesis, 2009),さらにはD-DTがMIFに補完的にp53の発現を制御することによりアポトーシスを抑制する機序を世界で初めて明らかにした(FASEB J,2016).長期間の太陽光の曝露による光発癌は,昨今の高齢化社会において増加しており,その対策は重要課題である.そこで本研究では,現時点で未解明な光発癌メカニズムに対するD-DTの機能解析を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
D-DT 過剰発現(Tg)マウスおよびWTマウスから得た培養表皮角化細胞(D-DT過剰発現keratinocytesおよびコントロールkeratinocytes)やsiRNAでD-DTの発現を抑制した培養表皮角化細胞(D-DT欠損keratinocytes)にUVB照射や温熱刺激さらにその両者の刺激を加え,癌抑制遺伝子p53を介したアポトーシスにおけるD-DTの機能の解析,Heat shock proteinを介したアポトーシスにおけるD-DTの機能の解析,さらにはUVB照射および温熱刺激による発癌によるD-DTの作用点の網羅的探索を行う.
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Causes of Carryover |
(理由)物品の納入が年度区切りに間に合わないため
(使用計画)研究は計画通りに進捗しており、次年度使用額に影響はない。
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