2019 Fiscal Year Research-status Report
A new barrier-related gene encoding epithelial stress-induced peptide
Project/Area Number |
18K08295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大日 輝記 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20423543)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 表皮 / 炎症 / バリア |
Outline of Annual Research Achievements |
表皮による生体防御反応の制御の仕組みを明らかにするため、研究代表者らは、複数のアトピー皮膚炎動物モデルの皮膚で共通して発現が誘導されるただ1つの未知の遺伝子を見出し、epithelial stress-induced protein (ESIP) と名付けた。本研究では、ESIPの発現様式、ESIPの作用点、およびESIPの生体機能を明らかにすることを目的とし、これまでに以下の研究実績を上げた。 第1に、ESIPの発現様式について、熱、浸透圧刺激、小胞体ストレスを含む各種細胞ストレス、その他の刺激による表皮細胞でのESIPの短期的な発現誘導は観察されなかった。唯一、インターフェロンγ刺激により発現が2倍に上昇した。 第2に、ESIPの作用点について、ESIPを強制発現した表皮細胞はMAPKなどのシグナル伝達に促進的効果をもつこと、翻訳・タンパク合成、エネルギー代謝、コレステロールなどの脂質代謝に抑制効果をもつことが示された。さらに、転写因子エンリッチメント解析で、ストレス応答遺伝子の転写に関わるHSF-1関連遺伝子の発現促進、I型インターフェロン応答遺伝子の転写に関わるSTAT2関連遺伝子の発現抑制に働くことが示された。一方、マウスESIP欠損表皮細胞では野生型細胞に比べて高カルシウム培地による分化誘導の促進がみられ、逆にESIP合成ペプチドを添加したヒト3次元培養表皮では分化誘導の低下がみられた。 第3に、ESIPの生体機能について、マウスに対する活性化型ESIPの局所注射で、対照に比べて有意な耳介腫脹の亢進、一部のメディエーターの発現亢進を認めた。一方、ESIP欠損マウスではイミキモド塗布による乾癬様皮膚炎が減弱した。MC903塗布によるアトピー様皮膚炎モデルや、テープストリッピングによるバリア障害モデルでは、野生型と有意差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成元年度までの研究で、培養細胞を用いた実験で一定の成果が得られたため、実験動物を用いた機能評価により注力する方針で進めている。生体におけるプラスの機能評価に、誘導型ノックインマウスの代わりに合成ペプチドの生体投与の系を用いており、ノックアウトマウスを用いた実験結果を合わせて、ESIPの生体機能評価に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に引き続き、欠損動物および合成ペプチドを用いて、ESIPの生体機能を評価する方針である。COVID-19対策のため、令和2年4月現在、京都大学で一部の実験を中止していること、また令和2年4月に代表研究者の所属が京都大学から香川大学に変わったため一部の実験環境を整える必要があることを除き、その他の計画に大きな変更はない。
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Causes of Carryover |
令和2年4月に代表研究者の所属変更が判明したため、着任する令和2年度の研究環境整備に一部を充てる方針とした。
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[Journal Article] Cutaneous p38 mitogen-activated protein kinase activation triggers psoriatic dermatitis2019
Author(s)
Sakurai K, Dainichi T, Garcet S, Tsuchiya S, Yamamoto Y, Kitoh A, Honda T, Nomura T, Egawa G, Otsuka A, Nakajima S, Matsumoto R, Nakano Y, Otsuka M, Iwakura Y, Grinberg-Bleyer Y, Ghosh S, Sugimoto Y, Guttman-Yassky E, Krueger JG, Kabashima K.
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Journal Title
Journal of Allergy and Clinical Immunology
Volume: 144
Pages: 1036~1049
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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