2018 Fiscal Year Research-status Report
HLAクラスII/ミスフォールド蛋白複合体抗体による慢性皮膚潰瘍の病態解明
Project/Area Number |
18K08296
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒瀬 規子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30360481)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 皮膚潰瘍 / HLA Class II / ミスフォールド蛋白 / β2GPI |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、これまでに細胞内で分解されなかったミスフォールド蛋白質がHLAクラスII分子の抗原提示部位に会合し、それらのHLAクラスII/ミスフォールド蛋白質複合体は分解されずに細胞外へ輸送されることを発見した(Jiang, Arase et al. Int. Immunol. 2013)。さらにこれらHLAクラスII/ミスフォールド蛋白質複合体に対する自己抗体が、関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群、ANCA関連血管炎等多くの膠原病において自己抗体の標的分子になっていることを見出した(Jin, Arase et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2014, Tanimura et al. Blood 2015, Hiwa, et al. Arthritis Rheumatol 2017)。一方で通常の抗リン脂質抗体陰性の難治性慢性皮膚潰瘍患者の血清中にHLA Class II/β2GPI複合体抗体が存在することを見つけた(Arase et al. Br J Dermatol. 2018)。このことから一部の難治性慢性皮膚潰瘍患者においては、HLA Class II/β2GPI複合体抗体が病的意義を有している可能性が考えられた。そこでさらに難治性慢性皮膚潰瘍患者においてHLA Class II/β2GPI複合体抗体以外の他のHLAクラスII/ミスフォールド蛋白質複合体抗体が存在するかどうか解析した。その結果、難治性慢性皮膚潰瘍患者中の一部の患者において、HLA Class II/β2GPI複合体抗体以外のHLAクラスII/ミスフォールド蛋白質複合体抗体が存在することが判明した。これらのHLAクラスII/ミスフォールド蛋白質複合体抗体も慢性皮膚潰瘍発症に何らかの役割を果たしていることが考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難治性慢性皮膚潰瘍患者血清中にHLA Class II/β2GPI複合体抗体陽性患者が3割程度存在することが判明した(Arase et al. Br J Dermatol. 2018)。そこで慢性皮膚潰瘍患者血清からHLA Class II/β2GPI複合体抗体や他のHLAクラスII/ミスフォールド蛋白質複合体抗体のスクリーニングを行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規HLAクラスII/ミスフォールド蛋白の慢性皮膚潰瘍における意義を解析する。他疾患でもこれらの抗体が存在するか解析する。また、今回解析した以外の新規HLAクラスII/ミスフォールド蛋白のスクリーニングを行う。HLAクラスII/ミスフォールド蛋白による膠原病や慢性皮膚潰瘍マウスモデルの樹立を試みる。
|
Causes of Carryover |
すでに取り揃えてある試薬等で研究を遂行できたため今年度は使用額が少なかったが、次年度で新たに行う実験等で使用する予定である。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
[Journal Article] Novel autoantibody against the β2-glycoprotein I/human leucocyte antigen-DR complex in patients with refractory cutaneous ulcers.2018
Author(s)
Arase N, Tanimura K, Jin H, Yamaoka T, Kishibe M, Nishioka M, Kiyohara E, Tani M, Matsuoka S, Ohmura K, Takasugi K, Yamamoto T, Murota H, Arase H, Katayama I.
-
Journal Title
Br J Dermatol.
Volume: 178
Pages: 272-275
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-