2018 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮細胞培養シートを用いた蕁麻疹モデルの構築と血液凝固因子の役割の解明
Project/Area Number |
18K08298
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秀 道広 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (50284188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高萩 俊輔 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (40448246)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 蕁麻疹 / 血管内皮細胞 / ヒスタミン / 血液凝固 / 血管透過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蕁麻疹の病態を解明するため、電気的な抵抗を計測するインピーダンスセンサーと血管内細胞培養シートを組み合わせた血管透過性評価システムを構築し、ヒスタミンと相乗的に作用して血管透過性を亢進させる自然免疫活性化物質および各種サイトカイン等の内因物質を探索する。また、ヒスタミンが血液凝固経路を介して皮膚マスト細胞を活性化するための細胞内情報伝達経路を解析し、ヒスタミンが間接的にマスト細胞に作用して脱顆粒を起こす役割と機序を明らかにする。さらに、培養血管内皮細胞シートに好塩基球または他の単核球、および皮膚マスト細胞を共培養してより生体に近い条件で血管透過性亢進を評価できるin vitro蕁麻疹モデルを構築し、各種蕁麻疹治療薬と膨疹誘発刺激の影響を評価する。 本年度は、蕁麻疹の病態をリアルタイムに評価、解析するためのインピーダンスセンサー、血管内皮細胞培養シート、血漿、より構成される膨疹形成モデルを構築し、ヒスタミンと相乗的に作用して血管透過性亢進を起こす活性物質とその分子機構を検討した。また、血液凝固反応を駆動する血管内皮細胞の組織因子の発現に関わる細胞内情報伝達経路を確認するため、各種阻害剤を用いて組織因子発現への影響を検討した。 血管内皮細胞の組織因子発現は、定量的リアルタイムPCRによりmRNAレベル、フローサイトメーターにより細胞表面蛋白レベルで解析し、そのいずれもLPSの他にTNFα、ヒスタミンの他にVEGFによっても誘導されることを確認した。また、各種阻害薬を用いた検討により、各々の反応系にはNF-κBおよびPKCが関与することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管内皮細胞の組織因子発現を起こすヒスタミンおよびLPSの役割において、当初予定していたsiRNAを用いた検討はできなかったが、各種阻害薬、および代替え活性化試薬を用いた検討を行い、各々の受容体活性化を伝達する細胞内情報伝達経路の概要を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
蕁麻疹の病態において、臨床的にLPSが関与すると考えられる例は限られており、実際には様々な刺激または状態がLPSに代わり血管内皮細胞の組織因子発現を誘導している可能性がある。また、我々は本研究を通して血管内では血管内皮細胞以外に単球が組織因子を発現し得ることを見いたした。そこで、今後は血管内皮細胞の組織因子発現におけるLPS-ヒスタミン以外の種々の侵害刺激による代替性と、末梢血単核球における組織因子の発現およびこれらの反応に対する各種活性物質の影響を明らかにする。また、臨床的に慢性蕁麻疹に対する有効例が報告されているワルファリン等の抗凝固薬および抗IgE抗体(オマリズマブ)の効果と作用機序を、本研究における蕁麻疹モデルを用いて解析する。
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[Journal Article] The EAACI/GA(2)LEN/EDF/WAO guideline for the definition, classification, diagnosis and management of urticaria2018
Author(s)
Zuberbier T, Aberer W, Asero R, Abdul Latiff AH, Baker D, Ballmer-Weber B, Bernstein JA, Bindslev-Jensen C, Brzoza Z, Buense Bedrikow R, Canonica GW, Church MK, Craig T, Danilycheva IV, Dressler C, Ensina LF, Gimenez-Arnau A, Godse K, Goncalo M, Grattan C, Hebert J, Hide M, et al.
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Journal Title
Allergy
Volume: 73
Pages: 1393~1414
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] The international WAO/EAACI guideline for the management of hereditary angioedema-The 2017 revision and update2018
Author(s)
Maurer M, Magerl M, Ansotegui I, Aygoren-Purun E, Betschel S, Bork K, Bowen T, Balle Boysen H, Farkas H, Grumach AS, Hide M, et al.
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Journal Title
Allergy
Volume: 73
Pages: 1575~1596
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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