2018 Fiscal Year Research-status Report
乾癬・アトピー性皮膚炎の病態におけるエンドセリン-1の役割の解明とその治療応用
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18K08300
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中原 剛士 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40529848)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エンドセリンー1 / 乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト乾癬表皮におけるエンドセリン―1(ET-1)の発現を、病理組織学的に確認した。さらに、イミキモド誘導性マウス乾癬モデルにおいても、表皮にET-1の発現がみられた。また、ヒト表皮細胞(NHEK)を用いて、乾癬に関連する主なサイトカインIL-17, TNF-aで刺激すると、NHEK細胞からのET-1産生が増加した。 すなわちこれらの結果から、イミキモド誘導性乾癬モデルにおいてもヒト乾癬と同様に、表皮のET-1発現が病態に関与している可能性があることが明らかになった。また、ヒトNHEK細胞の結果は、表皮でのET-1発現上昇が乾癬の病態に関わっている可能性が高いことを示唆していた。そこで、このモデルを用いてET-1受容体アンタゴニストの乾癬治療への可能性を確認することとした。 具体的にはイミキモド塗布開始と同時にET-1受容体アンタゴニストのボセンタン、アンブリセンタンの外用を行い、皮膚症状への影響を観察した。しかし、明らかな抑制効果はみられなかった。そこで、イミキモド塗布より少し早め(4日前)からボセンタン、アンブリセンタンを外用したところ、乾癬の皮膚症状を部分的に抑制した。 今後はこの抑制効果の詳細を検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乾癬モデルにおいて、研究はおおむね順調に進んでいるが、アトピー性皮膚炎での検討も計画しており、そちらの研究がまだ予備実験の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
ET-1受容体アンタゴニストのマウス乾癬モデルへの効果が明らかになったため、今後は薬剤による差異やその抑制機序について詳細を検討予定である。
同時に、アトピー性皮膚炎に関しても同様の検討をできるだけ早く進めていく計画である。
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