2018 Fiscal Year Research-status Report
自家毛髪細胞による毛髪再生医療の実現に向けた誘導能維持機構の解明とその臨床応用
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18K08311
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
新山 史朗 東邦大学, 医学部, 准教授 (80286286)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、dermal sheath cup cell: DSCC特異的発現を有する候補遺伝子群から、実際に毛包誘導能に関与する遺伝子(因子)を絞り込む。次に、絞り込まれた因子が臨床(in vivo)に近い状況において機能を発揮するかを検証し、その機能を維持する培養工程を検討、確立する。そして、研究期間終了時に毛包誘導を維持するDSCCの培養工程が確立された場合は、その工程に基づいた全体の再生医療提供計画を作成し、再生医療等認定委員会への申請、承認を得て、臨床研究を計画、実施し、臨床応用への可能性を検証していく。 ①DSCC特異的発現因子の毛包誘導能スクリーニング:我々がintact DSCCのプロファイリングで見い出しているDSCCを特徴付ける因子群を、siRNAを用いたサイレンシングによって、毛包誘導能との相関性を有するアルカリフォスファターゼ活性を指標にスクリーニングし、誘導能に寄与する候補因子群を10因子程度に絞り込んで選定する。 ②器官培養系を用いたintact DSCC特異的発現因子の誘導能の検証:Iで得られたDSCC特異的因子をヒト毛包器官培養系でノックダウンし、機能を特異的に消失させた毛包器官の毛球部の形態変化、毛包伸長度を測定し、成長期毛包に及ぼす候補因子の影響を検証する。 ③器官培養系を用いた制御因子の誘導能に及ぼす影響の検証:遺伝子ネットワーク解析、パスウェイ解析を用いたこれまでの我々の研究では、いくつかのDSCC特定遺伝子の発現制御因子(DSCCマスター遺伝子)が存在する可能性を明らかにしている。候補であるTGF-B1、BMP4、WNT3AについてI、IIと同様の遺伝子サイレンシングを実施し、個別の因子毎の発現低下と比較して、より顕著で継続的な誘導能に対する変化が見い出せるかを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Intact DSCC特異的発現因子の毛包誘導能スクリーニング:我々がintact DSCCのプロファイリングで見い出しているDSCCを特徴付ける因子群を、siRNAを用いたサイレンシングによって、毛包誘導能との相関性を有するアルカリフォスファターゼ活性を指標にスクリーニングし、誘導能に寄与する候補因子群がTLE4: transducin-like enhancer of split 4, MMP11: matrix metallopeptidase 11, PTGER3: prostaglandin E receptor 3, GREM2: gremlin 2, RBP4: retinol binding protein 4, ASPN: asporinの6つであることを同定した。そして、そのうちのひとつであるGREM2がin situ hybridizationおよび同probeを用いてDSCに局在することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
DSCC特異的因子6つを主に、ヒト毛包器官培養系でノックダウンし、機能を特異的に消失させた毛包器官の毛球部の形態変化、毛包伸長度を測定し、成長期毛包に及ぼす候補因子の影響を検証する。
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Causes of Carryover |
研究計画当初には試薬等の消耗品購入を予定でしたが、購入せずに研究遂行できたため残金の繰越が生じました。
遺伝子実験に移行するに際し、網羅的解析の前に標的遺伝子をある程度限定するため、まずは解析ソフト購入の上で次の実験に臨む予定です。
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Research Products
(2 results)