2021 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of organelle relocation in human erythroblasts.
Project/Area Number |
18K08315
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小松 久美 (鵜生川久美) 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (70646554)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直人 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80344753)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ヒト赤芽球 / 脱核 / Cdc42 / 造血幹細胞 / 好中球 / LPS / TRL4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト赤芽球の脱核を不均等な細胞質分裂の一種と考え、脱核に至る細胞極性化と収縮環形成を統括的に制御するシグナルや情報伝達経路を明らかにすることを目的とし、特に赤芽球脱核時のCdc42の役割や他の分子との相互作用を検討している。令和3年度の実績を以下に示す。 1.令和2年度から継続して、Cdc42やRacの下流分子として同定されている蛋白質の発現をウエスタンブロットにて検討した。Profilin-1は、day7のCFU-Eで強く発現し、day11、day13にかけて漸減した。PAK1はCFU-Eでは強く発現し、day11までに漸減した。PAK1はday7のみでリン酸化していた。ここまで検討したCdc42やRacの下流分子では、Profilin-1やPAK3が脱核に関与している可能性が示唆された。 2.GFPでラベルしたCdc42発現プラスミドベクターを、エレクトロポローション法にてday7のCFU-Eに導入した。導入効率は11~17%で、day8にGFP陽性細胞のみをソートして培養を継続した。脱核時期に共焦点顕微鏡で観察したところ、Cdc42は脱核前の核周囲の一部に集積し、収縮環様の構造物となっていた。また、脱核後の赤芽球では、網赤血球側にGFPの集積が見られた。これらは正常赤芽球のCdc42分布と一致していた。生細胞のまま脱核を観察すべく検討を重ねているが、未だ成功していない。 3.当科郭永梅助教の異動に伴い、造血制御におけるToll like receptor情報伝達経路の全容解明(研究課題17K16177)に関する研究を引き継ぎ、ヒト末梢血幹細胞に対する細菌感染モデルを検討した。LPSがTLR4やMAPK経路、NF-kB経路を活性化することで、造血幹細胞から好中球や単球への増殖・分化が促進することを明らかにした(J immunol. 207:1078, 2021)。
|
Research Products
(1 results)