2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K08330
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
朝井 洋晶 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 准教授 (00726838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 正貴 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60127917)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞免疫療法 / CAR-T / NY-ESO-1 / 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は HLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR導入T細胞のin vivoにおける抗骨髄腫細胞効果の検討を行った。まずLuciferaseの一つであるSLR遺伝子を導入したHLA-A2陽性かつNY-ESO-1陽性の骨髄腫細胞株であるU266細胞を免疫不全マウス(NOGマウス)に1.5Gyの全身放射線照射ののち、2×10E6個尾静脈から静注し、生物発光イメージング法で追跡した結果、移植後11日目に骨髄内への腫瘍の生着が確認できた。次に骨髄腫細胞株(U266/SLR)移植NOGマウスに骨髄腫細胞移植後13日目と18日目に我々が作成したHLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR-Tcellsとコントロールとして遺伝子導入していない活性化T細胞をそれぞれ5×10E6個を尾静脈から輸注し、U266/SLRに対する抗腫瘍効果を生体発光イメージング法を用いて経時的に評価した結果、コントロールT細胞治療群では腫瘍の増悪がみられたが、HLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR-Tcells治療群では骨髄腫細胞移植後20日目(治療後7日目)にSLRによる骨髄内での発光が消失し、腫瘍の抑制が得られた。以上よりin vitroのみならずNOGマウスにおけるin vivoにおいても我々が作成したCAR-T細胞は充分な抗腫瘍効果を確認できた。さらに我々が作成したHLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR-TcellsはNY-ESO-1_157ペプチドをパルスしたHAL-A*0206発現K562細胞に対してもHLA-A*0201同様にIFN-γ産生反応を示し、さらにはNY-ESO-1と相動性のあるペプチド(xLxMWIxxx配列)をハルスしたT2 cellへの反応性を検討した結果、Solute carrier family 13 member 2(SLC13A2)、Taste receptor type 2 member 8(TAS2R8)、Lysophospholipase-like protein 1(LYPLAL1)にもIFN-γ産生反応を示した。この結果は、NY-ESO-1-CAR-Tcellsを臨床応用し治療に用いる場合、標的分子以外への反応による有害事象(Off-target effect)を生じる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に記載した通りの結果が得られており、当初の計画通り研究が進められているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度であるため、研究計画書のとおり、HLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR導入造血幹細胞移植モデルの樹立;HLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR/dNGFR遺伝子を組み込んだレンチウイルスベクターを作製する。ヒト臍帯血より分離回収したCD34陽性細胞へレンチウイルスによりHLA-A2/NY-ESO-1_157-CARを遺伝子導入し、HLA-A2/NY-ESO-1_157-CAR導入ヒト造血幹細胞を作製することを目標に検討を進めていく。
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Research Products
(1 results)