2018 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍の多様な染色体・ゲノム構造と異常転写産物形成の分子機構の統合解析
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18K08335
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
滝 智彦 杏林大学, 保健学部, 教授 (50322053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん / ゲノム / キメラ遺伝子 / エクソン / イントロン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで造血器腫瘍を中心に、SNPアレイによるゲノム増幅を中心とするゲノム再構成の解析や、新規キメラ転写産物の同定を目指して行ったRNAシーケンスのデータから見出した結果を基に、キメラ転写産物形成に関する複数の解析を行ってきた。その研究過程で見出された、腫瘍細胞にみられ、これまで十分に解析されていない新しいタイプの染色体・ゲノム異常の正確な構造と、異常転写産物生成に関与するゲノム構造の変化の詳細を解析している。 今年度より所属施設を異動したため、まず新たな研究室で研究環境のセットアップを行った。前所属施設では同じ施設内の共同研究者に依頼していたバイオインフォマティクス解析を当研究室内で独自に行うためのコンピュータの設置を行い、FASTQファイルなどの元配列データを用いた解析ができる環境を整えた。そこで、これまでにRNAシーケンスを行った造血器腫瘍細胞株について、まずは以前と同様のdeFuseによる解析を行い、同様の結果が得られるかどうかを確認した。また、以前はエクソン同士の融合にのみ注目して解析を行ってきたが、その中から、本研究では融合遺伝子断片として同定される多くのエクソンとイントロンの融合に着目し、RT-PCRによるバリデーション、ゲノムDNAでの融合の有無などを確認している。現在さらに、SRAの公開データから各種腫瘍細胞株のデータを取得し、同様の解析を始めたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属異動による研究体制の再構築に時間がかかり、実質的な研究開始が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
予算面から独自に新たな次世代シーケンサーによる塩基配列データを大量に得るのは困難であるが、SRAなどの公開ゲノムデータを用いることにより、膨大な量のゲノム情報を解析することができるため、そのメリットを最大限に生かして解析を行っていく。特に、これまで解析対象から見捨てられていた情報を中心に、既存データを独自の視点で再解析することにより、十分に研究計画を達成できると考えている。
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Causes of Carryover |
発注物品(消耗品)の納品が年度内に間に合わなかったため次年度使用額が生じた。物品が納品され次第、執行する。
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[Journal Article] Clinical characteristics of pediatric patients with myeloid sarcoma without bone marrow involvement in Japan2018
Author(s)
Taga T, Imamura T, Nakashima K, Maeda N, Watanabe A, Miyajima Y, Sakaguchi S, Sano H, Hasegawa D, Kawasaki H, Adachi S, Takagi M, Koh K, Manabe A, Taki T, Ishida Y
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 108
Pages: 438-442
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Novel fusion gene PVT1-ELK2AP in a B-cell lymphoma cell line with MYC-IGH gene rearrangement2018
Author(s)
松本洋典, 滝智彦, 知念良顕, 佐々木奈々, 吉田美穂子, 堤康彦, 名越久朗, 志村和穂, 兼子裕人, 堀池重夫, 黒田純也, 谷脇雅史
Organizer
第80回日本血液学会学術集会