2019 Fiscal Year Research-status Report
血小板ー白血球コンタクトの免疫学的解析による炎症メカニズムの解明と新規治療の開発
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18K08339
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平橋 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70296573)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒストン / 糖尿病 / 好中球 / 金属同位体標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者は心血管病をはじめ敗血症や外傷等による急性炎症に対して脆弱であることは臨床的によく知られている、我々はそのメカニズムの候補として、白血球の急性期タンパクに対する免疫応答が糖尿病により修飾を受けているという仮説をたてた。これを立証するため、金属同位体標識抗体を用いて細胞内外のタンパク質を検出するCyTOF(cytometry by time-of-flight)技術を応用し、急性炎症惹起性タンパクであるヒストンを投与したマウスの白血球を細胞表面マーカーで識別し、同時に細胞内リン酸化シグナルを単一細胞ごとに検出した.まず、マウス単体より全血採血(約1 cc)し赤血球を溶血して全白血球を採取する方法を確立した.全血1cc採取でCyTOFシステム解析に供するに十分な白血球全分画ができ調整できることを確認した。マウスにヒストン投与後一過性にCD11b+Ly6G+(好中球分画)細胞が増加することがわかり、さらに高脂肪食12週間投与により作成した糖尿病マウスでは、その傾向がより強く、好中球分画の一部でIkBαのリン酸化が著しく亢進していた.このことから糖尿病において好中球に属する特定の細胞群の炎症免疫応答が亢進している可能性が示唆された. またヒストン投与によるマウスの生存はCD11b (Mac-1) KOマウスにおいて顕著に改善した。今後CD11bKOマウスにおける白血球細胞のリン酸化シグナルを検出し、ヒストンに反応する新たな細胞群の同定を行うことにより、糖尿病における急性炎症への脆弱性のメカニズムの一端を白血球活性化銘菓ニズムから解明することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒストン投与による急性肺障害およびthromboinflammationに対する感受性が、糖尿病マウスでは健常マウスと比較して著しく亢進していることを、CyTOFという金蔵同位体標識抗体を用いた先進的技法を導入して証明することができた。現在、英語論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年間で得られた実験結果を英語論文としてまとめ、2020年度前期(4月~7月)に投稿し、reviseを受ける。中期(8月~11月)に追加実験を行い、後期(12月~3月)に受理を目指す。
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Research Products
(8 results)