2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of biomarkers and mechanisms of late effects after hematopoietic cell transplantation
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18K08345
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
稲本 賢弘 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (70730349)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 造血細胞移植 / 晩期障害 / バイオマーカー / 遺伝子解析 / 移植片対宿主病 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は以下の2つの課題に取り組んだ。これらの研究成果は同種造血細胞移植後移植片対宿主病(GVHD)の病態解明とより優れたGVHDの新規治療標的の開発および、移植後晩期障害として頻度の多い二次がんの病態理解、治療成績向上につながる可能性がある。
(1)GVHDの新規バイオマーカー探索:海外との共同研究で、質量分析器を用いて血清中の400以上の蛋白を比較して得られた6つの候補と、病態生理に基づく4つのバイオマーカー候補を、別のコホートで検証した。海外との打ち合わせを行いつつ、論文化を進めている。
(2)二次がんの細胞遺伝学的異常の解明は、自施設の二次がん34症例の残余病理検体からDNAおよびRNAを抽出し、解析を開始した。ドナー正常細胞由来の遺伝情報が混入することが判明し、現在、ドナー遺伝情報を除くアルゴリズムを検討している。系が確立したところで他施設からの検体と臨床情報収集を開始する予定であり、研究協力施設のIRBは順次通過中である。また、がん周辺組織の解析など、最近興味深い知見が出つつある領域のため、様々な仮説を証明するための解析を開始する。自施設での新規発症二次がんの生検体組織も収集が進んでおり、8症例のDNA抽出が終了し、解析を始めている。造血細胞移植学会の全国移植データベースと全国がん罹患モニタリングデータベースを利用して、造血細胞移植後二次がんと一般人口の初発がんの予後を比較する大規模研究を実施し、論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度に予定していた研究内容の概ねを実施することが出来た。GVHDの新規バイオマーカーは解析が進んでいるが、結果の解釈が複雑であり、海外研究者との打ち合わせを行いながら論文化を進めている。二次がんに関しては、検体からのDNA抽出が予想より順調に進んだ。予備解析を行う中で、ドナー正常細胞由来の遺伝情報が混入することが判明し、現在、ドナー遺伝情報を除く方法を検討している。造血細胞移植学会の全国移植データベースと全国がん罹患モニタリングデータベースを利用して、造血細胞移植後二次がんと一般人口の初発がんの予後を比較する大規模研究の論文はBlood Advances誌に受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)GVHDの新規バイオマーカー探索:海外との共同研究者と議論を重ね、正しい解釈に基づいた結果や追加解析を実施し、論文化を進める。日本人で収集した検体を用いてGVHD関連蛋白測定を実施する。
(2)二次がんの細胞遺伝学的異常の解明:ドナー遺伝情報を除く方法を検討する。系が確立したところで他施設からの検体と臨床情報収集を開始する(他施設IRBは順次通過中である)。がん周辺組織の解析など、最近興味深い知見が出つつある領域のため、様々な仮説を証明するための解析を開始する。
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Causes of Carryover |
本年度は収集されたデータの解析と解析用検体の準備が主であったため、予算をあまり使用せず、次年度使用額が生じた。本研究では海外研究協力者との頻回なコンタクトは重要であり、情報収集も含めた年2回程度の国際学会や研究打ち合わせ会議の渡航費用を見込んでいたが、電話やWeb会議を効率的に利用することで経費を節約することが出来た。
次年度は論文化を進めている研究に関し、英文校正費(外部に依頼するため謝金)、通信費、投稿・出版費といった費用が必要になる予定である。また、バイオマーカーの測定キットが必要であり、50検体程度の測定を予定している。通常1つのキットで1つの候補蛋白を40検体測定可能である。またキット価格は蛋白によって異なるが1キット15万円程度である。検査する候補蛋白は3つ以上となる可能性がある。多施設から二次がん検体の収集が開始すれば、解析費用が必要となる可能性が高い。また、情報収集を含めた国際学会や研究打ち合わせ会議の必要があり、旅費も必要である。以上の計画に次年度使用額を含めた研究予算を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Long-term outcomes among 2-year survivors of autologous hematopoietic cell transplantation for Hodgkin and diffuse large b-cell lymphoma.2018
Author(s)
Myers RM, Hill BT, Shaw BE, Kim S, Millard HR, Battiwalla M, Majhail NS, Buchbinder D, Lazarus HM, Savani BN, Flowers MED, D'Souza A, Ehrhardt MJ, Langston A, Yared JA, Hayashi RJ, Daly A, Olsson RF, Inamoto Y et al.
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Journal Title
Cancer.
Volume: 124
Pages: 816-825
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] ASBMT Practice Guidelines Committee Survey on Long-Term Follow-Up Clinics for Hematopoietic Cell Transplant Survivors.2018
Author(s)
Hashmi SK, Lee SJ, Savani BN, Burns L, Wingard JR, Perales MA, Palmer J, Chow E, Meyer E, Marks D, Mohty M, Inamoto Y et al.
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Journal Title
Biol Blood Marrow Transplant.
Volume: 24
Pages: 1119-1124
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Risk of acute myeloid leukemia and myelodysplastic syndrome after autotransplants for lymphomas and plasma cell myeloma.2018
Author(s)
Radivoyevitch T, Dean RM, Shaw BE, Brazauskas R, Tecca HR, Molenaar RJ, Battiwalla M, Savani BN, Flowers MED, Cooke KR, Hamilton BK, Kalaycio M, Maciejewski JP, Ahmed I, Akpek G, Bajel A, Buchbinder D, Cahn JY, D'Souza A, Daly A, DeFilipp Z, Ganguly S, Hamadani M, Hayashi RJ, Hematti P, Inamoto Y et al.
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Journal Title
Leuk Res.
Volume: 74
Pages: 130-136
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Outcomes of patients who developed subsequent solid cancer after hematopoietic cell transplantation.2018
Author(s)
Inamoto Y, Matsuda T, Tabuchi K, Kurosawa S, Nakasone H, Nishimori H, Yamasaki S, Doki N, Iwato K, Mori T, Takahashi S, Yabe H, Kohno A, Nakamae H, Sakura T, Hashimoto H, Sugita J, Ago H, Fukuda T, Ichinohe T, Atsuta Y, Yamashita T
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Journal Title
Blood Adv.
Volume: 2
Pages: 1901-1913
Peer Reviewed / Open Access