2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of biomarkers and mechanisms of late effects after hematopoietic cell transplantation
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18K08345
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
稲本 賢弘 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (70730349)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 造血細胞移植 / 晩期障害 / バイオマーカー / 遺伝子解析 / 移植片対宿主病 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は以下の3つの課題に取り組んだ。 (1)GVHDの新規バイオマーカー探索:海外との共同研究で、硬化型GVHDの新規バイオマーカーであるDickkopf-related protein 3 (DKK3)を発見し、論文受理に至った。閉塞性細気管支炎のバイオマーカーを探索した。肺移植後に報告された3つの蛋白(MMP-3, MMP-9, YKL-40)に関して造血細胞移植の前向きコホートで収集された検体を用いて解析し、論文投稿を行った。日本人の消化管GVHD115症例に関して前向きに収集した検体を用いて白人で報告されるバイオマーカー3種類(ST2, REG3a, AP2)を測定した。 (2)二次がんの細胞遺伝学的異常の解明は、自・他施設の二次がん90症例の既存検体および1次がんコントロールとして通常のがん80症例の既存検体からDNAおよびRNAを抽出し、672検体の解析を行った。FFPE検体に由来するノイズを除去するフィルタも開発した。二次がんにおいては混入するドナー正常細胞由来の遺伝情報を除去するアルゴリズムも開発し、BRCAness, MSIなどの二次がんに特徴的な可能性がある変異パターンが明らかになった。また、移植後発がんの遺伝学的機序を解明するため、GVHDマウスモデルにおける消化管上皮の遺伝子変異解析も実施した。自施設での新規発症二次がんの生検体組織も収集が進んでおり、累積で17症例の収集に至った。 (3)晩期障害に関する臨床研究に関しては、プラチナ系抗がん剤の腎障害および、移植後再入院に影響する因子、本邦における移植後長期フォローアップシステムの現状、AYA世代の晩期障害、小児非腫瘍性疾患に対する移植後の二次がんに関して国内外の研究者と共同して論文化を行った。米国移植・細胞治療学会のメンバーと一緒に移植後骨合併症のエビデンス総説を作成し、論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に予定していた研究内容以上のプロジェクトを実施することが出来た。硬化型GVHDの新規バイオマーカーであるDickkopf-related protein 3 (DKK3)を発見し、国際共同研究の筆頭著者として英文論文受理に至った。閉塞性細気管支炎のバイオマーカーに関する研究結果も得られ、投稿中である。自施設で前向きに収集した消化管GVHD115症例の血漿検体を用いてバイオマーカー3種類(ST2, REG3a, AP2)を測定した。 二次がんに関しては、症例数と解析検体数が順調に増え、FFPE検体に由来するノイズを除去するフィルタおよび混入するドナー細胞由来の遺伝情報を除去するアルゴリズムが完成した。収集された検体での解析を進め、二次がん特有と考えられる遺伝子変異の特徴を同定しつつある。 晩期障害に関する臨床研究に関しては、2編の英文論文をcorresponding authorとして、4編の英文論文を共著者(うち3編は国際研究)として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)GVHDの新規バイオマーカー探索:海外の共同研究者と議論を重ね、閉塞性細気管支炎に関して得られた知見の論文受理を目指す。日本人で収集した検体の測定結果を解析し、日本人におけるGVHD関連蛋白の意義を同定し、論文化する。 (2)二次がんの細胞遺伝学的異常の解明:多施設で検体と臨床情報収集をさらに継続し、コントロールとして1次がん検体の解析も進める。頻度の多い二次がんである口腔・食道・大腸がんの遺伝学的特徴をまとめ、論文化を行う。二次がんの早期スクリーニングを行うために血清micro RNAやリキッドバイオプシー検体のNGS解析も試みる予定である。二次がんマウスモデルの作成と解析を進め、移植患者における発がんメカニズムの解明につながる研究を継続する。
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Causes of Carryover |
本研究では海外研究協力者との頻回なコンタクトは重要であり、情報収集も含めた年2回程度の国際学会や研究打ち合わせ会議の渡航費用を見込んでいたが、COVID-19流行の影響で電話やWeb会議を中心にプロジェクトを進めたため経費を節約することが出来た。 次年度は論文化を進めている研究に関し、英文校正費(外部に依頼するため謝金)、通信費、投稿・出版費といった費用が必要になる予定である。また、網羅的micro RNA解析費用や二次がんNGS解析の消耗品を購入予定である。情報収集を含めた国際学会へ参加する費用が必要である。以上の計画に次年度使用額を含めた研究予算を使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Subsequent neoplasms and late mortality in children undergoing allogeneic transplantation for nonmalignant diseases2020
Author(s)
Kahn JM, Brazauskas R, Tecca HR, Bo-Subait S, Buchbinder D, Battiwala M, Flowers MED, Savani BN, Phelan R, Broglie L, Abraham AA, Keating AK, Daly A, Wirk B, George B, Alter BP, Ustun C, Freytes CO, Beitinjaneh AM, Duncan C, Copelan E, Hildebrandt GC, Murthy HS, Lazarus HM, Auletta JJ, Myers KC, Inamoto Y, et al.
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Journal Title
Blood Advances
Volume: 4
Pages: 2084~2094
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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