2021 Fiscal Year Research-status Report
TFL発現異常による免疫制御の破綻が引き起こすがん病態悪化機構の解明
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18K08356
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
皆川 健太郎 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80432574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若橋 香奈子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (40817178) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | TFL / Zc3h12d / Regnase / 転写後調節 / リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はRNA 制御分子であるTFL(別名:Zinc finger C3H12D (ZC3H12D), Regulatory RNase (Regnase)-4)を患者検体用より見出した。TFLに対するモノクロナール抗体を作成し、臨床検体を用いて免疫染色でTFL発現がDLBCLの予後に関わるかの検証を行った。100例のDLBCL患者症例の免疫染色を行い、アウトカムを検討したところ、TFLの欠損している群において予後良好である傾向が認められた。しかしながら、ノックアウトマウスでの検証ではリンパ腫モデルマウスとの交配において、TFL欠失群に炎症増強による病態悪化ならびに早期死亡が観察された。遺伝子網羅的解析でケモカインCXCL-13の上昇が病態の一因であることがわかっており。また、CXCL-13はangioimmunoblastic T cell lymphoma などのリンパ腫において臨床診断のマーカーとなっており、本当にTFLの欠損がリンパ腫患者の予後を改善するのかは疑問が残る。そこで、我々はペンシルベニア州立大学との共同研究において免疫染色の再検討を行うとともに、対象を他のB細胞リンパ腫やT細胞リンパ腫にも広げて検討を行っていく予定としている。マウスを利用した研究は2018年のアメリカ血液学会にて発表され、論文投稿準備中である。また2019年には the JSH International Symposiumにおいて優秀ポスター賞に選出された。本研究は神戸大学の学術・産業イノベーション創造本部の発明評価委員会にて独自に開発したFISH法(特許5354484号)の特許の維持が取得されていた(本年度にて特許維持は終了)。以前にも我々はTFLの発現低下と進行した子宮内膜癌の予後悪化を報告していたが、近年、TFLの発現増加は、肺腺癌予後の改善と相関していたとの報告もあり、TFLが免疫応答と関連しながら悪性腫瘍の重要な分子マーカとなる可能性を秘めており、我々も悪性リンパ腫において検討をさらにすすめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で、研究者同士のの対面での打ち合わせができなかったことにより、研究の進捗に若干の遅れが生じている。この結果、論文作成、投稿も遅れている。また、以前は神戸大学血液内科の大学院生 の協力により、研究が進められてきたが、研究員の人員不足も研究の遅れに影響を及ぼしている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いた研究を発展させると同時に、論文作成にも力を注いでいく。
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Causes of Carryover |
次年度は研究遂行並びに論文投稿などに伴う、経費が必要となる。これらの経費は主に免疫染色に伴う費用、動物実験、論文投稿費、渡航費などに用いられる予定である。
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