2018 Fiscal Year Research-status Report
絶対的遺伝子発現解析による造血幹細胞・ニッチ間分子コミュニケーションの全貌の解明
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18K08377
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清田 純 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, ユニットリーダー (40793790)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 造血幹細胞 / ニッチ / 分子コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
申請時から1年で標準的な遺伝子発現解析方法はマイクロアレイからRAN-seqへと大きく変わった。そのため本研究でも遺伝子発現解析方法をRNA-seqへと変更する方針とし、1)測定プロトコールの策定と最適化、2)Gene Expression CommonsをRNA-seqへと対応させる、の2点にまず取り組んだ。1)についてはSmart-seq法に準拠してシングルセルレベルへの作業手順の検討・最適化を行い、その結果、シングルセルレベルでRNA-seqを行うプロトコールについてはほぼ策定が終わり現在最適化の最終段階を行っている。また2)についてはまずRNA-seqに基づいた遺伝子発現ダイナミックレンジのデータベースを作成するとこととし、全世界で公開されているRAN-seqデータ(ヒト約50000件、マウス約100000件、合計3兆リード)を収集し、その生データを処理するパイプラインソフトウェアを作成し、一元的に解析を行った。その結果ヒトおよびマウスの全遺伝子の発現ダイナミックレンジを推定することに成功し、データベース化した。つぎにGene Expression Commonsがその発現ダイナミックレンジ・データベースを参照できるようにソフトウェアを拡張し、また実際の観測データを登録するインターフェースなども作成し、Gene Expression CommonsをRNA-seqへと対応させる作業はほぼ完了した。現在限定されたユーザによって試験運転中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子発現解析方法をマイクロアレイからRNA-seqに変更したために、実験プロトコールの再設定とGene Expression CommonsのRNA-seqへの対応が必要になったため、実際の細胞を使った測定が遅くなっているが、このRNA-seqの利用は世界的流れであり初年度に対応できたことは今後大きな意味を持つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
RAN-seqの測定パイプラインが完成し次第、予定の細胞種に対するRNA-seqを施行する予定である。
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Causes of Carryover |
試薬の消費が予定よりも少なかったために次年度使用額が発生した。翌年度の試薬費用とする。
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