2019 Fiscal Year Research-status Report
全身型若年性特発性関節炎の病態に関わるmicroRNAの解析
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18K08383
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
井上 祐三朗 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ がん遺伝創薬研究室, 客員研究員 (00456063)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 全身型若年性特発性関節炎 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、sJIA患者におけるエキソソーム中miRNAの発現と機能解析により、新たなsJIAの疾患活動性マーカーの確立と病態解明を目的としている。 平成30年度は、重症のsJIA患者の治療経過において、DNAチップにより2565種類のmiRNAの解析を行い、sJIAの疾患活動性マーカーとなりうるmiRNAを探索したところ、hsa-miR-451a, hsa-miR-1290, hsa-miR-1246, hsa-miR-6131の4つのmiRNAが、疾患活動性に関連して8倍以上の発現量の違いを認めており、一般的な疾患活動性マーカーでは反映されない病態に関わっていることが示唆された。 この結果をもとに、平成31年度は、2565種類のmiRNAの中で、活動期と非活動期に4倍以上の発現量の変動を認めた117種類のmiRを対象に、階層型クラスター解析を行ったところ、以下の3つのクラスターに分類された。 クラスター1:活動期・非活動期の双方で高発現であり、非活動期に発現が低下するmiRNA、クラスター2:活動期・非活動期の双方で中等度発現であり、非活動期に発現が低下するmiRNA、クラスター3:活動期に低発現であり、非活動期に発現が亢進するmiRNA それぞれのクラスターに含まれるmiRNAのターゲットとなる遺伝子のpathway解析を行ったところ、TGF-β pathway, EGF-EGFR pathway、IL-1 pathwayにそれぞれ含まれる分子の発現を制御するmiRNAが、クラスター2には多く含まれることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当施設のサンプルを用いた解析は進んでいるが、令和2年からの新型コロナウイルスの流行拡大により、他施設の臨床検体のサンプリングが困難となっているため、研究の進行が遅れることが懸念される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、重症のsJIA患者の血清のプロテオミクス解析を行っており、miRNAプロファイルと関連した解析により、sJIAの疾患活動性に関連するマーカーを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者が平成30年10月に異動となったため、研究費の使用ができなかった期間があり、当初予定よりも研究費の使用を繰り越す必要があるため
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