2021 Fiscal Year Annual Research Report
MicroRNAs involved in the pathogenesis of systemic juvenile idiopathic arthritis
Project/Area Number |
18K08383
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
井上 祐三朗 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ がん遺伝創薬研究室, 主任医長 (00456063)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全身型若年性特発性関節炎 / microRNA / プロテオーム / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)患者におけるエキソソーム中miRNAの発現と機能解析により、新たなsJIAの疾患活動性マーカーの確立と病態解明を目的としている。 令和3年度は、本研究で解析をおこなった、重症のsJIA患者のエキソソーム中miRNAの発現と関連するタンパク質発現を解析する為に、次世代プロテオーム解析を行った。sJIAの血清中には2727個のタンパク質が検出され、このうち158タンパク質が活動期およびMAS合併において有意な発現増加を認め、新たな血清バイオマーカー候補と考えられた。この中には、多くのプロテアソーム関連タンパク質とNF-κBパスウェイ関連タンパク質が含まれ、sJIAの炎症病態形成に関わっていることが示唆された。 プロテアソームは、ユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する酵素複合体であり、様々な細胞プロセスの制御に関与している。特に、炎症病態においては、プロテアソームによりIκB が分解されることで、NF-κBの活性化が誘導される。また一方で、遺伝性自己炎症性疾患の一つである中條―西村症候群などでは、プロテアソームの機能異常により、小胞体ストレスを介してインターフェロン過剰産生(インターフェロノパチー)に起因する慢性炎症が誘導される。同様に、sJIAの病態において、プロテアソームの「量」の異常だけでなく、「質(機能・活性)」の異常が関与している可能性があると考えられた。 残念ながら、sJIAのmiRNA発現との統合解析においては、両者の有意な関連は認めていない。今後、サンプル数を増やし解析を継続する予定である。sJIAの血清の次世代プロテオーム解析により、プロテアソームを含めた特徴的なタンパク発現を認めた結果は、ACS Omega誌に発表した。
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Research Products
(1 results)