2019 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチの関節破壊機序の解明:高解像度CTによるアプローチ
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18K08390
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 恒 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00457574)
川尻 真也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (20457576)
有馬 和彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (30423635)
上谷 雅孝 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40176582)
大山 要 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 高解像度CT / 関節破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は関節リウマチ(RA)の関節破壊評価をX線をアウトカムとして、骨微細構造を唯一解析できる高解像度四肢骨定量CT (High resolution peripheral quantitative CT; HR-pQCT)、従来の高感度画像検査であるMRIと超音波(ultrasonography; US)を用いて第2、第3中手骨頭における関節傷害と修復を詳細に評価し、積極的な抗リウマチ治療[Treat-to-Target(T2T)治療]にも関わらずX線骨破壊進展を認める予後不良RAの特徴を最新の画像とバイオマーカー解析で明らかとする。エントリー時の臨床的疾患活動性が中等度以上で、メトトレキサート(MTX)、TNF阻害薬、IL-6阻害薬トシリズマブ、T細胞選択的共刺激調整薬アバタセプト、JAK阻害薬を新規に導入し、T2T治療を実施する活動性RA患者を対象とする。2018年度に引き続き、2019年度も主に症例のエントリーを推進した。 2019年度までのエントリー数は33名、うち10名で1年間のフォローが完了した。10名の治療歴は、MTX2名、生物学的製剤8名(TNF3、TCZ3、ABT5)で、うち3名で途中治療薬を変更した。T2T治療により1年後の疾患活動性スコアは平均1.97減少しており治療反応性は良好であった。HR-pQCTにおいて、エントリー時20関節のうち8関節、11ヶ所に骨びらんを認め、1年後に骨びらん容積は9ヶ所で減少した。なお、3名で新規骨びらん出現を認めたが、疾患活動性が増悪したのは1名のみであった。また、関節裂隙狭小化の進行を認めず(1年後の関節裂隙容積は平均Δ値0.119)、骨微細構造は海面骨密度、骨量数共に増加していた。 T2T治療によりHR-pQCTで骨びらんの改善および骨密度の増加が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度はエントリー数18名(ただし解析可能であったのが7名)、2019年度はエントリー数が33名まで増加した。近年、診断の進歩により早期診断されることが多くなり中等度以上の活動性を示す症例が10年前、5年前よりも少なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
対象症例を、疾患活動性が中等度に達しない症例にもやや緩めると目標解析数まで増加する可能性がある。また、バイオマーカーを1年間フォローできた症例から解析していく。
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Causes of Carryover |
エントリーが予定よりも進まず症例数が少ないことから、マルチサスペンションアレイやELISAなどのキット購入が不要であったため。症例が増えてきて近々実験キット購入予定であるため使用計画には問題ない。
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Research Products
(2 results)