2023 Fiscal Year Annual Research Report
Challenges in the Development of Novel Inhalants Mediated by the Proton-Sensing Receptor OGR1 in Airway Inflammation
Project/Area Number |
18K08404
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 悠 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80447268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロトン / 気道炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
血液中pHは7.4付近に厳密に保たれているが、炎症部位、虚血部位では炎症性細胞の集積、酸素供給の停止などによる解糖系の亢進によって乳酸が大量に産生するためpHの低下が予想される。 実際、炎症性細胞の集積した腫瘍内部、関節リウマチや気道炎症部位ではpHが6以下に低下することが知られている。私たちはこれまで、OGR1knock out (KO)マウスを作成し、気管支喘息モデルにおいて、OGR1 KOマウスでは好酸球性気道炎症が抑制されることを報告してきた。OGR1は気道構成細胞、炎症細胞に発現し、炎症のレギュレーターとして重要な働きをしていることがわかっている。 本研究ではプロトン感知性受容体OGR1が気道炎症性疾患において、どのような役割を担っているのか、より詳細に解析することを目的とする。気管支喘息だけではなく、OGR1 KOマウスを用いて、急性呼吸促迫症候群(ARDS)モデルの作成を行い、OGR1が急性気道炎症においてどのような役割を果たすか解析した。 麻酔下に塩酸をマウスの気管内に投与すると好中球増多、マクロファージ増多を認め、急性肺障害モデルを作成することができた。OGR1欠損マウスでは野生型と比べ、24時間後の肺胞洗浄液中の総細胞数とマクロファージ、好中球数が減少していた。 ELISA法を用いた肺胞洗浄液中のサイトカイン測定では塩酸投与OGR1欠損マウスは野生型に比べ、炎症性サイトカインであるIL-6 、TNFα産生の減少が認めらた。これらの結果から、OGR1は ARDSの病態において重要な役割を果たすIL-6、TNFαの酸性の制御に関わっている可能性が示唆された。
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