2018 Fiscal Year Research-status Report
抗CCP抗体の病的意義の研究からめざす関節リウマチの病態解明および最適化治療
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18K08411
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 律子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (60297596) [Withdrawn]
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
一瀬 邦弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (60437895)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 抗CCP抗体 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 滑膜線維芽細胞 / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、健常者末梢血からビーズ法によりCD14陽性細胞を抽出し、RANKL含有培地にて抗CCP抗体存在下に破骨細胞分化へ誘導を試みた。抗CCP抗体についてはKarolinska Institute(Prof. ANCA I Catrina)およびLeiden University (Prof.Tom Huizinga)の2施設より供与をうけており、それぞれの抗体を種々の刺激時間および濃度にて添加を行った。その結果、抗CCP抗体誘導破骨細胞分化の至適条件として抗CCP抗体(Karolinskaより供与)10ug/mlでの10日間の刺激により、抗CCP抗体非添加群と比べ最も破骨細胞分化数の差異がみられることが明らかとなった。 次に関節リウマチ(RA)患者から得られた滑膜線維芽細胞(RASF)を用い、骨芽細胞へ分化誘導し、抗CCP抗体刺激をおこなった。抗CCP抗体刺激、非刺激に関わらずRASFの骨芽細胞への分化を認め、抗CCP抗体による骨芽細胞分化抑制機序は認めなかった。 さらに、抗CCP抗体のRASFにおけるケモカイン・サイトカイン産生能への影響を検討した。RASFを抗CCP抗体存在下に培養し、その上清中のケモカイン・サイトカインをluminex法によるmultiplex bead assayにて網羅的に測定した。抗CCP抗体の刺激によりIL-6などの炎症性サイトカインの上昇は認めなかったが、MCP-3の上昇を認め、抗CCP抗体によるケモカイン産生能の増強作用を認めた。今後は多数症例での確認および、シトルリン化酵素であるPAD4刺激、またはPAD4強制発現下にて同様の実験を行いRASFにおける抗CCP抗体の作用をより詳細に解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗CCP抗体誘導性破骨細胞分化の手技を確立しており、さらに滑膜線維芽細胞を用いた実験では抗CCP抗体作用刺激によりケモカインの産生能が上昇することを同定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画に基づき、関節リウマチ患者由来の末梢血CD14陽性細胞からの抗CCP抗体誘導性破骨細胞分化を行い。患者背景と破骨細胞形成の相関やその詳細な機序を解析していく。また、滑膜線維芽細胞を用いた実験ではPAD4強制発現によりさらに抗CCP抗体による作用の増強が期待でき、より抗CCP抗体の滑膜線維芽細胞への作用が顕著となることが期待できるが、PAD4強制発現の手技は確立しておらず、今後確立していく必要がある。
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Causes of Carryover |
本年度の研究は概ね予定通りに行っているが、網羅的な遺伝子解析などはおこなっておらず次年度使用額が生じた。 次年度に網羅的遺伝子解析や、薬剤による破骨細胞分化抑制実験などをおこなっていく。
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Research Products
(24 results)