2018 Fiscal Year Research-status Report
TFH細胞機能制御を利用した全身性エリテマトーデスの治療法開発に関する基盤的研究
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18K08413
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
倉沢 和宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30282479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00202763)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
谷口 俊文 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20724826)
大和田 高義 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30456016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SLE / c-Myb |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性エリテマトーデス(SLE)を代表とする自己免疫疾患は免疫応答恒常性の破綻が関与すると考えられているが、その発症機序はいまだ十分明らかにされていない。近年、濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞による高親和性免疫グロブリン産生B細胞の分化機能がSLEの発症に関与することが報告されているが、その機能の詳細は明らかでない。申請者は転写因子c-MybがTfh細胞の分化や機能関与する可能性に注目して解析してきた。本研究はTfh細胞におけるMyb-cの機能を明らかにすることを目的とし、H30年度はSLEモデル(腎炎、肺炎、免疫異常)における活性化T細胞特異的c-Myb欠損マウス(OX40 Cre-c-Myb hetero Ko)について解析を行った。SLEモデルはImiquimodを経皮的投与後の過剰TLR7シグナルにより形質細胞様樹状細胞(pDC)の抗原提示能やIL-6およびI型IFNの産生が亢進してポリクローナルなB細胞の活性化・増殖を促進することにより自己抗体産生を誘導してSLE様の病態が形成されると考えられている。当該年の研究結果は以下の通りである。SLEモデルにおいて、活性化T細胞のc-Myb発現の欠損により、1)Imiquimod投与後の抗DNA抗体産生の減少、2)ループス様の腎炎および肺炎の軽減を認めた。さらに、3)脾臓で濾胞ヘルパーT細胞や胚中心性B細胞の減少を認めた。また、4)肺および腎組織で、IgGおよび補体C3沈着の減少を認めた。以上よりSLEの発症・病態においてT細胞内のc-Myb機能が重要な役割を果たしている事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H30年度の研究は、時間特異的にタモキシフェン依存的なc-Mybの発現破壊が可能なcKOマウスについても解析する予定であったが、マウスの繁殖不足で十分解析ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を推進するため、タモキシフェン依存的なc-Mybの発現破壊が可能なcKOマウスの繁殖の効率を高める。
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Causes of Carryover |
当該年度の大規模数の検体を次年度の検体をまとめて解析するため、当該年度の研究費の一部を次年度の解析費として使用する。
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