2018 Fiscal Year Research-status Report
possibilityof new therapeutic agent for systemic screlosis by anti-CTGF antibody
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18K08415
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
森本 真司 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00348947)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強皮症 / 抗線維化 / インターロイキン17 / 抗CTGF抗体 / 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで関節リウマチモデルマウスにおける抗CTGF(Connective-tissue growth factor)抗体の有用性を報告している。CTGFは線維化マーカーのhallmarkであり、全身の線維化を主体とする全身性強皮症においてもCTGFの関与が近年報告されている。 強皮症患者やモデルマウスにおける皮膚組織中のCTGF発現上昇も報告されており、治療の標的分子として注目されている。アンギオテンシンⅡによる皮膚硬化モデルマウスにおける抗CTGF抗体の有効性も報告されているが、モデルマウス作成方法や、使用する抗CTGF抗体は施設によって様々である。 今年度において我々は, 免疫学的に強皮症の病態に近いと考えられるtopoisomerase1(以下topo1)を用いて誘導した強皮症モデルマウスを用いて当施設で所有する抗CTGF抗体の有用性を検討した。Topo1誘導強皮症モデルマウスの作成及び、抗CTGF抗体(module2)を投与し、治療効果を検討した。強皮症モデルマウスでは皮膚の肥厚、肺胞壁の肥厚が確認でき、皮膚の病理所見では抗CTGF抗体を投与した群においてHE染色、マッソントリクローム染色にて皮膚肥厚が減少している傾向を認めた。肺の病理所見ではマッソン染色においてポジティブコントロール群でマッソン染色で膠原繊維の染色が強い所見を認めた。抗CTGF投与群において肺の病理所見でIL-17のメッセンジャーRNAの発現が有意に低下していた。現在も継続して病理学的評価(HE染色、マッソントリクローム染色、免疫染色)や血清を用いた生化学的検査、皮膚、肺のRNA解析等を行い、本モデルにおける抗CTGF抗体の有効性の検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要の欄にも記したが、今年度において我々は, 免疫学的に強皮症の病態に近いと考えられるtopoisomerase1(以下topo1)を用いて誘導した強皮症モデルマウスを用いて当施設で所有する抗CTGF抗体の有用性を検討した。Topo1誘導強皮症モデルマウスの作成し、抗CTGF抗体(module2)を投与し治療効果を検討した。Topo1誘導強皮症モデルマウスでは皮膚の肥厚、肺胞壁の肥厚が確認でき、皮膚の病理所見では抗CTGF抗体を投与した群においてHE染色、マッソントリクローム染色にて皮膚肥厚が減少している傾向を確認した。肺の病理所見ではマッソン染色においてポジティブコントロール群でマッソン染色で膠原繊維の染色が強い所見を認めた。抗CTGF投与群において肺の病理所見でIL-17のメッセンジャーRNAの発現が有意に低下していることを確認した。これまでの研究は本年度においておおむね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度まではおおむね研究は順調に進展しており、次年度度以降におい引き続きtopoisomerase1誘導強皮症モデルマウスに抗CTGF抗体を投与した病理学的検討をHE染色、マッソントリクローム染色、免疫染色二より行い、さらには皮膚・肺組織の炎症および線維化に関連する遺伝子の発現解析を行っていく。具体的には皮膚の組織における遺伝子発現解析では、CTGF, ACTA2, col3a1,TNFαの発現を抗CTGF抗体投与群と非投与群において比較し、さらに肺組織ではIL-17, SPP1, ACTA2において抗CTGF抗体投与群と非投与群において比較する。さらに病理組織学的な評価において治療の効果を判定するためにヒドロキシプロリンによる定量化を検討中である。さらにもう一つの強皮症モデルマウスであるブレオマイシン誘導性強皮症モデルマウスを作成し、topoisomerase1誘導強皮症モデルマウスと同様の解析を行い差異の有無について検討を進めていく方策である。
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Causes of Carryover |
本年度に計画していたモデルマウスの購入金額が当初の予定より安価に抑えられたことや、皮膚、肺の病理学的評価を行うための免疫染色用試料、各種抗体が供給会社からの値引きがあり計画より安価で購入できたことが次年度使用額が生じた理由としてあげられる。翌年度分として請求した助成金は、本研究を遂行する上で必要なモデルマウスの購入とモデルマウス作成のための試料(CFA等)、皮膚、肺の治療効果を判定する上で必要なヒドロキシプロリンの購入費、また皮膚、肺組織の効果判定のために必要な分子、タンパク質の発現をみるためのPCR法を行うためのプライマー、免疫染色に必要な各種抗体(IL-6,IL-17, ACTA2, CXCL2等)の購入に使用する計画である。
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Research Products
(5 results)