2018 Fiscal Year Research-status Report
皮膚筋炎に併発する急速進行性間質性肺炎の病態解明と新規治療法開発の試み
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18K08419
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 慎二 東海大学, 医学部, 教授 (90276238)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 抗MDA5抗体 / 皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / 予後不良因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】抗MDA5抗体は,皮膚筋炎(Dermatomyositis: DM),特に筋炎症状に乏しい皮膚筋炎(Clinically amyopathic DM: CADM)に見出され,急速進行性間質性肺炎(Rapidly progressive interstitial lung disease: RP-ILD)との密接な関連が知られている.本年度は,当院で経験した抗MDA5抗体陽性のRP-ILDを併発したDM症例の生命予後を規定する因子について検討した. 【方法】これまで当科を受診した抗MDA5抗体陽性のRP-ILD 併発DM患者28例を対象として,診断時のバイオマーカー値 (血清CRP, 血清フェリチン,血清KL-6, 血清SP-D)と転帰を診療録から後ろ向きに調査し,抗MDA5抗体陽性DMの生命予後と関連する因子を検討した.統計学的解析は,COX比例ハザードモデルによる単変量ならびに多変量解析を用いておこなった. 【結果】対象の平均年齢は56.3±10.4歳,女性23例,男性5例で,追跡期間の中央値は20ヶ月であった.臨床診断は古典的DM 5例(18%),CADM 23例 (82%)で,経過中に28例中14例 (50%) が死亡していた.単変量解析では,全死亡と関連する因子として,診断時年齢 (P<0.01; HR 1.11),血清フェリチン値 (P<0.01; HR 1.00),血清CRP値 (P<0.01; HR 1.58),血清SP-D (P<0.01; HR 1.01) が抽出された. 単変量解析で有意差を認めた年齢,血清フェリチン値,血清CRP値,血清KL-6値にこれまで予後不良因子として報告された血清SP-D値を説明変数としてCOX比例ハザード分析による多変量解析をおこなったところ,診断時の年齢ならびに血清SP-D値が死亡と関連していた。 【結論】抗MDA5抗体陽性DMに併発するILDの生命予後と関連する因子として,診断時の年齢,血清SP-D値が有用な指標となる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた経気管支肺生検あるいは肺生検組織から凍結切片標本を作成し,免疫組織染色の手法を用いてMDA5,免疫グロブリン,補体(C3, C4)および免疫複合体の発現を検討することならびに臨床経過との関連の検討は,肺・皮膚組織の収集が達成できなかったために,解析に至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,次年度も鋭意,検体収集を努める予定である.近隣の施設に連絡をとり,臨床症状より,同疾患が疑わしい症例を紹介していただき,積極的に受け入れるよう努力する.
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Causes of Carryover |
本年度に予定していた肺,皮膚組織の収集が達成できなかったため,その検討に使用する蛋白解析および細胞分離のための試薬などに経費を使用しなかった.今年度使用しなかった経費は,次年度に集まった検体の解析のための費用に充てる予定である.
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