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2019 Fiscal Year Research-status Report

Development of early diagnosis for sepsis focused on histone hold in extracellular vesicles

Research Project

Project/Area Number 18K08425
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

早田 敬太  日本医科大学, 先端医学研究所, 助教 (80794502)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords細胞外ベジクル / ヒストン
Outline of Annual Research Achievements

血中の細胞外ベジクルの(EVs)解析を進めていくために血液サンプルの調整をすすめた。時間依存的に敗血症の炎症とEVsの相関関係を示すデータの取得のため、敗血症モデルの一つである盲腸結紮穿刺モデルを用い、手術前と盲腸結紮穿刺後6時間、12時間、24時間の血液を回収し血漿を調整した。血漿サンプルは-80度で保存した。ここでマウスの血液サンプルは時間と費用の面からも貴重であり、次に続く実験での条件検討等を繰り返し行うことできない。または失敗のような無駄を避けたい。ここでin vitroの血管内皮細胞を用いたEVsの解析から現在得られている結果の再現性をとり、標的としているEVsに含まれるヒストン、または現在標的と考えている血管内皮細胞特異的膜タンパク質が最適な標的か再評価した。ヒストンをヒト臍帯静脈血管内皮細胞HUVECへ加え、4時間後に細胞上清を回収し、10,000 x g、100,000 x gで得られたペレットをプロテオミクスで解析した。前回はSDS-PAGE後に濃縮ゲルに濃縮されたタンパク質をゲルごと切り出し、それらを消化後にプロテオミクスをおこなうゲルショットガン法を用いた。今回S-trapショットガン法を用い膜タンパク質の同定を試みた。ヒストン非投与のサンプルと比較した結果、前回同様VE-cadherin (CD144)および、我々の着目している膜タンパク質が同定された。また、これらのペレットにはヒストンが含まれていることを確認した。
当初のIL-6のような傷害性マーカーとベジクルに含まれるタンパク質を時間依存的示すことを想定していた。しかし既往の研究のようにIL-6の血中濃度は6時間をピークに減少することが予測される。そこでEVに含まれる上記のようなタンパク質を定量するために適切な内部コントロールを用いた系を構築することを現在試みている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

一年目で試みた敗血症患者さんからのサンプルを用いたプレリミナリーな結果を踏まえ、敗血症モデルマウスからの血液を使用する実験を進めるためのサンプル調整を開始した。また同時に、in vitroにおいてもベジクルの解析を進めた。現在ヒストンをHUVECへ加えた時、EVsには血管内皮細胞特異的に発現している膜タンパク質やヒストンを同定している。しかしながらこの同定されたタンパク質はヒストン刺激特異的に生じるEVs中に含まれるタンパク質かは不明である。そこで、既往の研究でも使用されているTNFαをHUVECへ投与し、その上清をプロテオミクスで解析した。TNF α(50ng/ml)を加え4時間後に回収した上清からはヒストンは同定されていなかった。血管内皮細胞から産生されるフォンウィルブランド因子やインテグリン、カベオリンやクラスリンのような膜タンパク質は、ヒストンで刺激を与えた時に生じるEVs中より同定されたペプチド数は多かった。一方で、我々がヒストン以外に標的としているタンパク質(A)や(B)、VE-cadherinはTNFα刺激よりもヒストン刺激の時に多く同定されていた。このプロテオミクスの結果からヒストン刺激で生じるEVsにヒストンは特異的に含まれると考えられる。
EVsは様々な刺激によって血液中に含まれることが近年明らかになってきている。一年目でわかったように健常者においても相当の細胞外ベジクルが含まれている。TNFα刺激では細胞外ベジクルにヒストンが含まれないことから、我々が解析の対象としている細胞外ベジクルは敗血症患者と健常者の血液において、細胞外ヒストン刺激由来の細胞外ベジクルを選択的に解析することが可能と思われる。
進捗として、不明な点が明らかになってきた点は概ね順調である。しかしながら定量化にまでいたっていないことがやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

上記再現性のプロテオミクスにおいて、我々はTNFα、ヒストンH3に加え、全てのヒストンを含む子牛胸腺由来のヒストン(ヒストンズ)を用いてHUVECを刺激し、得られたEVsを解析した。その結果、HUVECから産生されるEVsに含まれるヒストンは、加えたヒストン由来であると推測している。血流を循環するEVsの数は、疾患の重症度と相関することが先行研究で指摘されていることから、敗血症モデルマウスにおいてもEVs上のヒストンを時間依存的に定量的に測定することを引き続き試みる。一年目でも記したように抗ヒストン抗体はEVs上のヒストンと反応することは示した。より定量的に評価するために磁性ビーズを用いた評価法を現在進めている。磁性ビーズを血管内皮細胞に特異的な膜タンパク質に対する抗体を結合させ、それをEVsと反応させる。これにさらに抗ヒストン抗体を反応させフローサイトメーターで評価する。ヒストンはEVsの膜上にどのような状態で結合しているかは現在不明である。膜貫通型の膜タンパク質のようにEVsの膜に貫通して存在するか、横たわるように存在しているのか、ヒストンH4をモデルにした膜表面との反応シミュレーションで報告例があるが、EVsの膜にヒストンが存在する場合、例えばQIFIKIT(Dako)を用いてEVs膜上のヒストンを見積もることが可能と考えている。エクソソームの解析においてCD9を標的とした磁性ビーズによる検出が報告されているが、より改良した定量方法になると考えられる。EVsを臨床サンプルから区別するための簡単で正確な方法は確立されていないため、このような血管内皮細胞由来のような特定のEVsを分析するための、より単純な再現可能な方法の確立をHUVECをもちいて行い、敗血症モデルとして現在調整した血漿を用いて検証することを考えている。

Causes of Carryover

12月までに当該研究の論文化を目指し、一度データのまとめをおこなった。その際プロテオミクスのデータの取得が必要であったが、当研究室の費用の支出が認められたたため節約することができた。昨年の計画通りマウスからの採血で予定通りの数の血漿サンプルを揃えることができた。同時進行で血漿から目的のタンパクのin vitroの実験を行なっていたが、ここで使用していた抗体が使用目的に適さないことが判明した。免疫沈降にも使用できることを当該抗体で確認していたのだが、可溶化させないと使用できないことが判明した。当目的では可溶化しない条件が必要であり、この最適化のために時間をかけてしまった。そのため、血漿サンプルを使用することがまだできていない。次年度以降の実施計画でも記したが、磁性ビーズを用いた抗体と細胞外ベジクルの反応の最適化を早急に行い、細胞外ベジクルにより運ばれると思われ、血管内皮細胞の傷害を伝播すると仮定しているヒストンの定量化を目指す。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 血管内皮細胞傷害により生じるベジクルの膜タンパク質プロテオミクス2019

    • Author(s)
      早田敬太
    • Organizer
      第15回日本臨床プロテオゲノミクス研究会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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