2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of an appropriate follow-up algorithm for HPV-infected men
Project/Area Number |
18K08427
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市村 宏 金沢大学, 医学系, 教授 (10264756)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 男性HPV感染 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症は代表的な性感染症であり、子宮頚癌を起こす。HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。米国や豪州では、男性HPV感染者の追跡調査結果を基に、若年男性に対するHPV感染予防ワクチン接種が開始されている。一方、アジアにおける男性HPV感染症研究は少なく、男性でのHPV感染症の流行状況やHPV関連がん発生率は十分に解明されていない。本研究では、性感染症外来を受診したベトナム人男性を対象に、尿・尿道スワブ・陰茎スワブ・口腔洗浄液を用いた長期追跡調査を行なうことにより、アジア人男性のHPV感染症の疫学や自然経過(HPV消失率/獲得率)を明らかにすることを目的とした。 6ヶ月ごとに最低2回追跡が可能であった男性性感染症(STI)患者146名(16-67歳、追跡期間中央値14.6ヶ月)から検体(陰茎スワブ・尿道スワブ・尿・口腔洗浄液)を採取し、HPV DNAの検出ならびに感染遺伝子型の推移を統計学的(κ値、McNemar検定、χ2テストなどを使用)に解析した。外陰部に比べ、口腔では、高リスクHPV(hrHPV)の感染率が有意に低く(10.1% vs. 21.5%, P = 0.008)、hrHPVクリアランスまでの期間が有意に短く(6.2 vs. 11.3月、P = 0.001)、また罹患率は有意に高かった(15.6 vs. 9.5/1000人月, P = 0.001)。外陰部に比べ、口腔ではhrHPVが有意に高率に罹患するにもかかわらず、感染率が有意に低いことは、クリアランスが有意に早いことが原因と考えられた。また、hrHPV感染は、外陰部と口腔では独立して生じることが示唆された。これまでの結果をもとに、論文作成し、投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、2-3月に予定していた訪越が認められず、予定された患者の追跡が困難となっている。共同研究者に完全に依頼しての検体採取等、現在、対策を検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本人のベトナムへの入国がいつ認められるかわからない現状を考慮すると、これまでに収拾した検体について順次解析を行ない、これまでの結果とともに、新たな論文を作成する。なお、日本人のベトナムへの入国が認められ次第、もう1回は検体採取を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより2-3月に予定していた訪越が中止となり、検体採取が延期されたため
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Book] 看護微生物学2019
Author(s)
今西二郎、市村 宏 編著
Total Pages
200
Publisher
医歯薬出版株式会社
ISBN
978-4-263-23724-3