2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of virulence genes of Streptococcus pneumoniae in fulminant cases.
Project/Area Number |
18K08449
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
上田 たかね 帝京大学, 医学部, 講師 (80459312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斧 康雄 帝京大学, 医学部, 教授 (10177272) [Withdrawn]
西田 智 帝京大学, 医学部, 講師 (10409386)
藤崎 竜一 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (00527442)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細菌毒素 / 感染症 / 全ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性感染性電撃紫斑病(Acute Infectious Purpura Fulminans; AIPF)は細菌感染により引き起こされ、初期の発熱から短時間内に播種生血管内凝固が起こり、身体の抹消に紫斑が出現する。皮膚や筋肉の壊死への進行が速く致死率の高い疾患である。救命できた場合でも虚血壊死部の切除などにより患者のQ O Lは極めて低下する。起因菌としては髄膜炎菌(Neisseria meningitidis、主に米国)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、溶血性連鎖球菌(S. pyogenes)などが知られている。病態形成が複数種の細菌で見られるため、電撃紫斑病の病原因子は同定が困難であるが、肺炎球菌と同定された2例の電撃紫斑病患者より分離し得たP F株と6例の敗血症患者から分離されたSepsis株、肺炎患者由来の3株についての全ゲノム解析をNanoporeとIllumina MiSeqで行なった。 これら2つの解析方法で、11株のドラフトゲノム解析を完了した。いずれの株も全長約2Mbであり、ゲノムサイズに大きな違いは見られず、一部の株にはファージ由来の配列がみられル程度であった。これら本研究課題で解読が完了した肺炎球菌11株についてD D B Jへの登録を完了した。 肺炎球菌の莢膜型は21のグループに属する68種と,25の単一型の計93型に分類されるが、P F株の莢膜型は6(6A/6B/6C/6D)と35Bであり、Core geneの全ゲノム系統樹では最も離れていた。しかし、PF株には他の株には見られない配列部位が見られる遺伝子があることが本解析で明らかになった。Nan Aと同定された本因子は細胞表面のシアル酸を分解することが知られており、この配列の差が炎症反応の違いを起こしていることが示唆された。
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