2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel antimicrobial method targeting conjugation systems of drug-resistant plasmid
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18K08455
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Research Institution | Chugoku Gakuen University |
Principal Investigator |
川野 光興 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授(移行) (00455338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 義俊 久留米大学, 医学部, 教授 (40363585)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バクテリオファージ / 薬剤耐性菌 / アンチセンスRNA / ファージセラピー / 薬剤耐性遺伝子 / 殺菌法 / 遺伝子発現制御法 / 必須遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
通常のファージ殺菌法では、天然ファージの溶菌性を用いて細菌を殺すことが一般的である。我々は、独自に開発した任意の遺伝子発現を制御できるアンチセンスRNAシステムを用いて、ほぼ全ての細菌に保存されているリボソームタンパク質遺伝子の発現を抑制することにより、細胞増殖を阻害させる仕組みの開発に成功した。この方法により、薬剤耐性菌が保有する薬剤耐性遺伝子の種類に依存せず、F型の性線毛を産生している菌にのみ、この抗菌RNA発現ファージが感染して抗菌作用を示す。さらに、各種の接合伝達性プラスミドを保持する細菌「オス菌」が産生する様々な性線毛に感染するファージを自然界から探索した。このファージ感染の特異性は、接合伝達性プラスミドの不和合性の様式に伴う性線毛型に依存するため、今後出現する薬剤耐性菌においても薬剤耐性遺伝子がコードされている接合伝達性プラスミドの種類を同定できれば、それに対応したファージを用いることで対応できる。 さらに最終年度では、携帯型加湿器を用いたファージの噴霧による殺菌法を検討した。予備実験の結果、薬剤耐性肺炎桿菌を10分以内で99.9%以上殺菌することができた。加湿器を用いた殺菌方法は世界的にも例がなく、実用化できれば汎用性が高いと考えられる。さらに、食品および環境中から薬剤耐性菌の探査と解析を行った。食品中からの探索では、食用鶏肉や、刺身や惣菜のサラダなどスーパーで購入できる生鮮食品を使用し、食品の撹拌、培養を行い、薬剤耐性菌の保菌・汚染状況を明らかにした。塩基配列の決定により、検出菌の分類や薬剤耐性遺伝子型を同定した。
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