2019 Fiscal Year Research-status Report
ヘルペスウィルス再活性化による抗腫瘍効果の機序とその最適化点の解明
Project/Area Number |
18K08459
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
瀬尾 幸子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (60401121)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ウィルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
サイトメガロウィルス再活性化と造血幹細胞移植後の再発抑制効果に関する研究は、世界中から報告があるが、その機序に関しては未だ明らかとなっていない。サイトメガロウィルス特異的T細胞、NK細胞、γδT細胞などが関与しているとの報告もあるが、様々な細胞分画に関して系統だって解析された研究は未だな い。本研究では、サイトメガロウィルスによる抗腫瘍効果の担い手がどの細胞分画であるのかを明らかにすることを目的としており、そのためサイトメガロウィルスの再活性化時に起こる細胞分画の変化の解析を開始した。研究代表者の施設のみならず、関東の研究協力施設において(一部研究協力施設を今年度増やして)、造血幹細胞移植を行う症例を対象として、移植前1回と生着後から移植後100日までの週1回血液を採取し、定量PCR検査にて、サイトメガロウィルス再活性化の有無を調べた。また同時に、血液細胞を用いて、FACS解析にて各種細胞分画(CD4陽性細胞、CD8 陽性細胞、CMV特異的CD4細胞、CMV特異的CD8細胞、制御性T細胞、NKT細胞、NK細胞)の解析を行った。かなり詳細な細胞分画の解析を行っているため、細胞数の少ない分画では評価が難しく、より確実なデータが得らえるようFACS染色の組み合わせを変えるなど試行錯誤して、ようやく最終的な解析パターンが決定できた。今後は解析結果を蓄積し、統計的解析を行う予定である。また、血清保存検体も蓄積されてきたため、サイトカイン測定も開始する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度所属変更があり、研究遂行基盤を構築するため、研究が遅れてしまった。本年度はようやく軌道にのり、症例集積は順調であり、やや遅れてしまっている、細胞分画およびサイトカイン解析を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現時点で行っている検体採取およびウィルスPCRを継続していく。保存検体が蓄積されてきているので、細胞分画およびサイトカインの解析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
前年度の遅れのため、未使用研究費が残った。今年度は蓄積した検体の解析をまとめて行っていくため、未使用研究費も合わせて使用予定である。
|