2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of a pathogenic process of diabetes using a noninvasive pancreatic beta cell imaging method
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18K08475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 裕之 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (50437274)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵β細胞イメージング / 糖尿病 / 膵β細胞量 / SPECT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膵β細胞に高発現するGLP-1受容体に特異的に結合するExendinを骨格とする放射性同位元素標識プローブを用いて膵β細胞イメージングを行い、得られた画像情報から非侵襲的に膵β細胞の定量評価を行うことで糖尿病の発症と膵β細胞量の関係を明らかにすることである。平成30年度は、膵β細胞に集積した放射性同位元素標識プローブが既存の染色切片から病理的解析で求める膵β細胞量との相関があり、かつ、定量性を有することを示した。また、令和元年度には、同手法を用いて、マウスでの糖尿病発症前後における膵β細胞量の推移を非侵襲的かつ縦断的に推定可能であることを明らかにした。 本年度は、確立した膵β細胞定量方法を用いて糖尿病発症における膵β細胞の量的変化について研究を進めた。糖尿病の発症過程を核医学的手法で評価する際、本研究で用いるSPECT核種111-Inの物理的および生物学的半減期を考慮すると、急激に膵β細胞量が減少するSTZマウスでは評価が困難であるため、比較的緩やかに糖尿病を発症するモデルマウスが必要である。本研究では中程度の脂肪食負荷で食餌性肥満を呈する糖尿病モデルNONcNZO10マウスを用いた。まず、11%脂肪食とコントロール食(5%脂肪)を用いて4-16週齢の観察を行い、随時血糖値測定および体重の評価をした。その結果、随時血糖値は、11%脂肪食群で7週齢から血糖値の上昇傾向を示し、11週齢には500 mg/dL程度まで上昇した。また、体重は11%脂肪食群においてコントロール食群と比較して負荷開始翌週から増加傾向を示し、7週齢程度から有意な差を認めた。また、耐糖能についても評価した。経口グルコース負荷試験を行いコントロール食群と比較して11%脂肪食群において週齢の経過とともに悪化することが分かった。これらの結果をもとに膵β細胞量評価用SPECT撮像方法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の影響により研究推進に遅れが出たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、令和2年度までの結果を踏まえ、糖尿病モデルマウスでの糖尿病発症過程における膵β細胞の変化を、確立した核医学的な膵β細胞定量方法を用いて評価する。具体的には、設定した週齢において経時的にマウスにプローブを投与し、SPECT撮像、画像解析を行う。その際、マウスには、11%脂肪食もしくはコントロール食による負荷を行い、比較する予定である。得られ結果と、各タイミングにおける血糖値、耐糖能との相関を検討し、糖尿病発症過程における膵β細胞量の視点から病態について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
感染症の影響により研究環境に制限があり遅延が生じたため。
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