2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18K08477
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楯谷 三四郎 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70639260)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
NO/cGMPの下流分子VASPをRAWマクロファージ、AML12肝細胞で各々レトロウィルスを用いて過剰発現させた。RAWマクロファージではパルミチル酸刺激に伴うTNFαの遺伝子発現の亢進が抑制され、AML12肝細胞ではパルミチン酸刺激にともなうインスリン依存的Aktリン酸化の抑制が回復された。これらの結果からVASPのマクロファージ、肝細胞でのそれぞれ抗炎症、抗インスリン抵抗性作用の存在が示唆された。次にVASP-/-腹腔マクロファージでのTNFα遺伝子の発現をみるとVASP+/+に比べパルミチン酸非刺激下にもかかわらずTNFαの発現が亢進していた。またVASP-/-初代肝細胞でのインスリン刺激に伴うAktリン酸化はVASP+/+に比べパルミチン酸非刺激にもかかわらず抑制されていた。以上よりVASPの欠損はマクロファージ、肝細胞でそれぞれ炎症、インスリン抵抗性を惹起する可能性が示唆された。In vivoでの意義を解明するため970radsの放射線を照射した野生型マウスにVASP欠損マウス骨髄から単離した骨髄由来マクロファージを移植し、骨髄特異的VASP欠損マウスを作成した。このマウスは普通食にも関わらず肝臓、脂肪組織マクロファージはTNFαの上昇など慢性炎症の状態を呈していた。またインスリン刺激に伴う肝臓、脂肪組織でのAktリン酸化が抑制されインスリン抵抗性を認めた。以上の結果からin vitro, in vivoにおいてNO/cGMPの下流分子VASPはマクロファージでは抗炎症、肝細胞・脂肪細胞では抗インスリン抵抗性に作用することが示唆された。
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