2019 Fiscal Year Research-status Report
インスリン/IGF-1両受容体阻害による新規サルコペニアモデルの解析
Project/Area Number |
18K08484
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
富樫 優 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10710444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40359609)
白川 純 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70625532)
奥山 朋子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90806928)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病 / サルコペニア / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、より慢性的なインスリン受容体(IR)およびIGF1受容体(IGF1R)阻害による影響を明らかにするため、野生型マウスにOSI-906 25 mg/kgを12時間ごとに経口投与を行い14日後に解析を行った。OSI-906投与群は、有意な高血糖の持続を認めた。14日間投与後の下肢筋肉の体積をマイクロCTにより解析した結果、OSI-906投与群ではコントロール群に比べて約20%の体積減少を認めた。筋肉の各部位別の重量を測定したところ、四頭筋(QUAD)および腓腹筋(GC)は、OSI-906投与群において有意な重量の減少を認めた。SDH染色により、各筋組織のoxidative fiberおよびglycolytic fiberの組成について解析を行ったところ、前脛骨筋(TA)においてOSI-906投与後に、oxidative fiber の数および割合が有意に増加していた。今回の結果より、完全に分化した骨格筋におけるIRおよびIGF1Rの阻害が骨格筋の可塑的な変化を誘導することが示唆された。 さらに、我々はOSI-906投与後に、骨格筋において一過性に脂肪滴が蓄積していることを見出した。これより、OSI-906投与により、骨格筋萎縮に加えて、骨格筋の脂肪変性が生じていると考えられた。また、OSI-906休薬後に脂肪滴蓄積も改善したことから、骨格筋における脂肪滴蓄積の改善の機構が存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OSI-906投与によるインスリン・TGF1シグナル遮断による骨格筋の組織学的な影響が明らかとなった。遺伝子発現の変化についても現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の推進にあたり大きな課題はないため、引き続き計画に基づき進めていく。
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