2019 Fiscal Year Research-status Report
膵β細胞特異的Atg7・p62二重欠損マウスの作製とその機能解析
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18K08489
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 富貴 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80445494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60343480)
宮塚 健 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60622363)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / Atg7 / p62 / インスリン / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病はインスリンの絶対的あるいは相対的分泌不全に起因する慢性の高血糖が種々の合併症を引き起こす代謝疾患である。よって唯一のインスリン産生臓器である膵β細胞の恒常性維持機構の詳細を解明し、糖尿病におけるβ細胞不全の病態を明らかにすることがその根治へと繋がる第一歩となる。 我々はオートファジー機構がβ細胞の恒常性維持に不可欠であることを解明し、β細胞特異的オートファジー不全マウスではオートファジー基質の1つであるp62(別名 Sqstm1)の凝集体が集積するとともに、β細胞不全も進行することを見出してきた。p62は酸化ストレス応答にも関与することが報告されていること、また酸化ストレスがβ細胞不全の原因となりうることを併せて考えると、オートファジー不全状態において集積したp62がβ細胞機能に影響を及ぼしている可能性がある。本研究ではβ細胞特異的かつ時期誘導性にAtg7とp62を同時に欠失させた遺伝子改変マウスの表現型を解析することにより、上記仮説を明らかにする。 Atg7;p62二重欠損マウスの膵切片を作成し、抗p62抗体を用いた免疫組織染色を行ったところ、Atg7単独欠損マウスで認められるp62の凝集塊が消失していることが確認された。Atg7単独欠損マウスとAtg7;p62二重欠損マウスの表現型を比較したところ、両群ともに同程度の耐糖能異常を呈するものの、体重の推移、随時血糖値、腹腔内ブドウ糖負荷試験時のインスリン分泌能に有意な差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年はじめに新たな動物実験施設に移動し、充分なマウスの匹数を確保しながら実験することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
Atg7単独欠損マウスおよびAtg7;p62二重欠損マウスの2群より膵島を単離し、ブドウ糖負荷時のインスリン分泌能を評価する。両群の単離膵島よりRNAを抽出し、p62欠失下における遺伝子発現プロファイルの変化を解析する。これまでの実験結果を論文としてまとめる。
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