2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel relationships between lipase and diabetes
Project/Area Number |
18K08504
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高梨 幹生 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70610799)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 高中性脂肪血症 / リポ蛋白リパーゼ / ホルモン感受性リパーゼ / アポリポ蛋白A5 / SREBP1c / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、細胞内の中性脂肪やコレステロールエステルを水解するリパーゼであるホルモン感受性リパーゼ(HSL)の欠損マウスを主に用い、その他にもリポ蛋白リパーゼ(LPL)の補因子であるアポリポ蛋白A5(アポA5)の欠損マウス、脂質代謝における重要因子であるSREBP1cの欠損マウスなどを用いて研究を行った。 アポA5欠損マウスではLPL作用の低下により高中性脂肪血症を来す。肝臓由来のVLDL蓄積も食事由来のカイロミクロン(CM)蓄積もともに生じるが、SREBP1cとの両欠損マウスではVLDL蓄積はrescueされる。このことから、アポA5欠損マウスにおけるCM蓄積はSREBP1cの制御を受けない一方で、VLDL蓄積はSREBP1cによって制御されていること、特にLarge-VLDLの代謝にSREBP1cが関わっていることを明らかとし2019年に論文発表を行った。 またHSL欠損マウスを用いた研究では、以前よりstreptozotocin(STZ)投与下糖尿病モデルにおいて高中性脂肪血症が軽微に留まることを確認し学会発表を行っているが、STZ投与後長期に飼育した場合の生存率、中性脂肪値、体温、血液pHなどのモニターを行った。その結果、STZ投与day56時点での生存率はHSL欠損マウスでは100%であったのに対し、野生型マウスでは約50%に低下することを見出した。HSL欠損はインスリン欠乏下での生存に有利になること、インスリン欠乏による脂肪分解の異常な亢進が致死的病態を惹起している可能性があることなどを2020年に各種学会で発表した。
|