2018 Fiscal Year Research-status Report
高脂肪食負荷による心筋障害における新規治療標的としてのM2マクロファージ
Project/Area Number |
18K08505
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
八木 邦公 富山大学, 附属病院, 講師 (30293343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸辺 一之 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30251242)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肥満心筋症 / 慢性心不全 / M2マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
代謝負荷による心筋症モデルの作成のため、CD206ノックアウトマウスおよび任意のタイミングでCD206陽性細胞を除去できるCD206DTRマウスを用いて、そこに高脂肪食負荷、TACによる圧負荷、冠動脈結紮による心筋虚血の負荷を行うべく準備および検討を行っている。評価としては組織学的評価、フローサイトメトリーによる評価、心筋サルコメアタンパクや炎症性サイトカインを中心とした因子の遺伝子発現、心電図を中心とした生理学的検討を中心に検討を進めるべく、評価系を準備している。 まずCD206DTRマウスを用いた検討では心不全関連マーカーであるANPやBNPの上昇は認められていないが、心筋サルコメアタンパクおよびその関連因子の数種に上昇が認められ、心筋症ー慢性心不全の病態成立に繋がりうるものと考えられた。また興味深いことにストレス応答系における機能低下をも窺わせる結果が得られている。 CD206ノックアウトマウスにおいては、下記の進行状況にも示されるが、実験及び複数の評価に供するマウスの数の確保に予想以上の時間が必要とされているのが正直なところである。それでもIVFにより数は確保されるようになってきて、CD206-/-および+/-において心筋肥大、心房負荷、特に右心系の負荷が示唆される所見が集積してきており、今後の結果が注目されるところとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの所、実験に必要とされるマウスの数を増やすために予想以上の時間が掛かっているのが正直なところである。実験を開始してCD206の遺伝子改変マウスではmatingで得られた仔の喰殺が予想以上に多く数が揃わないことが判明した。その状況はIVFを積極的に用いることで解決に向かっている。その他の評価系については心筋サルコメアタンパクを中心とした遺伝子発現を評価するためのqPCRプローブも一通り揃い、心電図も安定して結果を得ることができるようになっており、順調に推移していると判断された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに準備してきた系及び評価系を用いての検討を継続する。マウス心筋には高脂肪食負荷を現在行っているが、その上に圧負荷を加えるべくTACを安定して施行し評価するための系の確立を、また心筋虚血の負荷に対する反応性を評価するための冠動脈結紮系の確立を今後進める。マウスについては繁殖の目処が立ってきたため、複数条件での検討を並行することは容易になってきている。
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Causes of Carryover |
物品や旅費について実際の支出額と予算額との間に多少の差額が発生したものであり、使用計画に変更はない。
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