2021 Fiscal Year Annual Research Report
Nrf2 Regulates Energy Metabolism in Mice
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18K08506
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長田 直人 金沢大学, 医学系, 講師 (70456408)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / エネルギー代謝 / 転写因子 / 熱産生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グルコラファニンをはじめとする酸化ストレス応答転写因子Nrf2(NF-E2 related factor 2)の活性化物質が肥満モデルマウスの体重増加を抑制する申請者らのこれまでの研究成果に注目し、エネルギー代謝の観点からその作用機構の解明を目指した。特に、熱産生によるエネルギー消費に重要な役割を果たす褐色脂肪細胞を中心に解析を進め、主に以下の2点を発見した。 1)Nrf2の抑制因子であるKeap1を褐色脂肪細胞特異的に欠損させたマウス(UCP1-Cre::Keap1flox/flox)は対照マウス(UCP1-Cre::Keap1+/+)に比して、高脂肪食による肥満が抑制された。また、このマウスはβ3アドレナリン受容体刺激によって、褐色脂肪組織の温度が有意に上昇した。このことは、褐色脂肪組織における熱産生が亢進している可能性を示している。 2)の結果とは対照的に、2)Nrf2自身を褐色脂肪細胞特異的に欠損させたマウス(UCP1-Cre::Nrf2flox/flox)は対照マウス(UCP1-Cre::Nrf2+/+)に比して、ある条件においては高脂肪食による肥満傾向を示すことが明らかとなった。 現在、1),2)で発見したNrf2活性化レベルによる熱産生の違いが、熱産生タンパク質Ucp1に依存するかを確認するため、2つの褐色脂肪細胞特異的遺伝子欠損マウス褐色脂肪細胞における熱産生関連遺伝子のmRNA・タンパク質発現を検討している。 本研究によって、Nrf2活性化が褐色脂肪細胞の熱産生(エネルギー消費)を高めることを明らかに出来れば、Nrf2活性化物質が肥満の予防・治療に応用できる可能性が生まれる。
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Research Products
(1 results)