2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of novel causative mutations for young-onset diabetes using next-generation sequencing
Project/Area Number |
18K08509
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 大祐 京都大学, 医学研究科, 助教 (50582904)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年発症、非肥満、家系集積といった顕著な特徴を持ち、単一遺伝子異常による糖尿病が疑われる例はしばしばみられるが、既知遺伝子で説明できる例は一部にすぎない。このような例において原因を明らかにするため、35歳未満での若年発症糖尿病患者で、膵島関連自己抗体が陰性である者とその血縁者を対象とし、既知MODY原因遺伝子(HNF1A, HNF4A, HNF1B, GCK, PDX1, NEUROD1)に関してゲノムDNAをシーケンスし、糖尿病発症原因と考えられる変異の存在しなかった29名とその血縁者につき全エクソンシーケンスを行った。 得られた1人あたり約20,000の、タンパク質のアミノ酸配列変化を引き起こすnon-synonymous variantから発症原因変異候補を絞りこむにあたって、若年発症糖尿病患者の発症原因はrare variantであることが推定されるため、一般人口における対立遺伝子頻度が1%以上のものを除外した。絞り込まれた変異のうち、すでに存在する知見から膵発生や膵β細胞機能との関連が示唆される遺伝子に着目した。 結果、PTF1A遺伝子変異(NC_000010.11:g.23192583C>T)が、35歳未満で発症した非肥満糖尿病患者を3名有する家系において、3名に共通するヘテロ接合体の変異として検出され、糖尿病発症原因であることが示唆された。さらに、GATA6遺伝子の同一の変異(NC_000018.10:g.22171347A>T)が、明らかな血縁関係にない2名の若年発症糖尿病患者においてヘテロ接合体で検出され、糖尿病発症への影響が示唆された。 以上から、網羅的次世代シーケンスを若年発症糖尿病患者に行うことで、複雑な遺伝的背景の解明が可能であると考えられた。
|
Research Products
(2 results)