2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K08512
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 孝昭 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10379258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片上 直人 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (10403049)
河盛 段 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50622362)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / 分化誘導 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
A) 膵β細胞化に適した候補細胞の探求 Sry (sex determining region Y)-box 9のプロモーター下にCreERを発現するマウス(Sox9-CreER)を用いて、膵導管上皮細胞、腸管上皮細胞などへtamoxifen誘導性にMafA, Pdx1, Neurog3を発現するマウスを作製した。我々のマウスモデルでは、MafA, Pdx1, Neurog3の腸管上皮細胞への異所性発現誘導効率が極めて低く、インスリン陽性細胞化も認められたが極めて少数であった。一方、膵導管由来細胞ではMafA, Pdx1, Neurog3陽性細胞が膵臓全体に多数認められ、3転写因子が同時に発現している細胞では高率にインスリン陽性細胞化し得ることを確認した。また、膵β細胞特異的DTR発現マウスを用いて99%以上の内因性β細胞を欠失させたβ細胞ablationマウスにおいてSox9陽性細胞へ3転写因子を発現誘導したマウスでは、グルコース応答性インスリン分泌が僅かに認められることも確認し得た。この弱いグルコース応答性インスリン分泌能が、インスリン生合成が不十分なために得られた結果である可能性もあり、インスリン含量の測定を行ったところ、野生型マウスの同等以上の膵内インスリン含量を認めた。これら結果はインスリン分泌メカニズムが未熟であることを示唆している。
B) Pdx1先行発現誘導による膵β細胞化効率の増大への試み Flp/FRTシステムを用い、Cre/loxPシステムを連動させた系により、Pdx1を組織特異的に先行発現誘導し得るマウスモデルの構築を目指しているが、より効率的Pdx1発現の誘導を図るため、Flp/FRTシステムからDre/Roxシステムへと変更した。 現在、同コンストラクトを作製中であり、in vitroでの作動確認を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軽微な予定の変更はあるが、概ね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ、Sox9陽性細胞においてインスリン陽性細胞化率が高く、グルコース応答性インスリン分泌は不十分ではあるが、同細胞での膵β細胞化への検討を進めて行く予定である。Elastase陽性細胞(膵外分泌細胞)への誘導によるインスリン陽性細胞化の効率もSox9陽性細胞との間で比較検討していく。 これら転写因子誘導によるインスリン陽性細胞においては、グルコース応答性インスリン分泌機構の成熟化が課題である。この改善に向け、3転写因子誘導2週間後に実施していたこれまでの実験系から、さらに長期の飼育後での検討を行う予定としている。また、Pdx1先行発現誘導の系を確立し、その有効性の検証も行っていく。
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Causes of Carryover |
転写因子の異所性発現効率のさらなる増大に向け、発現constructの変更をしている。そのためマウス作製が次年度へずれ込み、経費も次年度に持ち越しとした。
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Research Products
(2 results)