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2019 Fiscal Year Research-status Report

Elucidation of the mechanisms that Dyrk1B controls hepatic gluconeogenesis

Research Project

Project/Area Number 18K08534
Research InstitutionNational Center for Global Health and Medicine

Principal Investigator

満島 勝  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 分子代謝制御研究部上級研究員 (40621107)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords糖尿病 / 肝糖新生 / Dyrk1B / 遺伝子転写制御
Outline of Annual Research Achievements

1.肝臓におけるDyrk1Bの発現調節機構の解析
前年度までに、マウスの肝臓においてマウスの肝臓でDyrk1Bの発現が絶食時に高く、再摂食によって強く抑制され、それがinsulin-IR-PI3K-Akt-FoxO1経路によって制御されていること、db/dbや高脂肪食負荷マウスの肝臓でmRNAの亢進がみられることを明らかにしていたが、この増加はタンパク質レベルでも見られることを明らかにした。現在、ヒト肝生研においても検討することをこことみている。
2.肝臓におけるDyrk1Bの活性化制御機構の解析
初代培養肝細胞を用いてDyrk1Bの活性を検討したところ、cAMP依存的にDyrk1Bの活性が抑制されることが分かった。Dyrk1BがPKAによって直接制御されるかを確かめたところ、Dyrk1Bの49番目のセリンがPKAにより直接リン酸化されることが分かった。この部位の変異体を用いて解析したところ、Dyrk1BのPKAによるリン酸化はDyrk1Bの活性を抑制することを示唆する結果を得た。現在このリン酸化の意義を検討中である。
3.GCN5-CITED2-PKAモジュールによる肝糖新生制御におけるDyrk1Bの役割の解析
前年度までにDyrk1BがCITED2,GCN5と強調して糖新生系酵素の発現を制御していることを明らかにしてきた。このモジュールにおけるDyrk1Bの役割を検討したところ、Dyrk1Bの強発現はモジュールの形成を促進し、逆にノックダウンが抑制した。このことから、Dyrk1Bはモジュールの必須因子であることを明らかにした。また、Dyrk1Bの標的分子を検討したところ、GCN5とPGC-1αがDyrk1Bの基質であること、そのリン酸化部位の解析から、PGC-1αのリプレッションドメイン、GCN5のN末に複数のリン酸化部位を明らかにした。現在その意義を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

目標の一つである生理条件、病態条件(糖尿病肥満状態、インスリン抵抗性など)下における肝臓でのDyrk1Bの遺伝子/タンパク質発現を明らかにし、そのメカニズム(insulin-
PI3K-Akt-FoxO1経路)の一端も示すことができた。更に、Dyrk1Bが糖新生系酵素発現に必要な分子であり、GCN5-CITED2-PKAモジュールと協調してcAMP誘導性の糖新生系酵素の発現を制御していることを明らかにした。さらには、Dyrk1Bの標的分子として、PGC-1αとGCN5を見出し、リン酸化プロテオミクス、種々の変異体を用いた解析より、Dyrk1BはPGC-1αのリプレッションドメインおよびGCN5のN末端領域の複数のセリン、スレオニン残基をリン酸化することを明らかにした。現在これらの分子の生理的意義を検討している。また、Dyrk1Bの活性調節機構の解析より、Dyrk1BがPKAによりリン酸化されること、そのリン酸化部位がN末端領域の49番目のセリンであることを明らかにし、そのリン酸化がDyrk1Bの活性を抑制していることを示唆する結果を得ている。今後、Dyrk1Bの基質分子への本リン酸化の意義を検討してく。また、Dyrk1Bの発現抑制が糖尿病病態モデルの血糖与える効果を検討していく。以上のように、計画に沿って研究を遂行し順調に結果を積み重ねながらDyrk1Bによる糖新生系酵素発現制御機構を明らかにしてきていることから、おおむね順調に進展しているという評価とした。

Strategy for Future Research Activity

初代培養肝細胞においてDyrk1Bが新たな糖新生制御因子であることを明らかにし、その基質候補分子としてPGC-1aおよびGCN5を同定し分子のリン酸化部位を明らかしたことから、そのリン酸化が糖新生制御に与える効果について検討している。さらに、新たにDyrk1BのPKAによる活性制御機構も明らかにしたことから、その意義に関しても解析を行っていく。このように今後も研究計画に沿って研究を推進し、Dyrk1Bによる肝糖新生制御の詳細な制御機構を明らかにしていく。同時に、マウスの生体内(in vivo)でDyrk1Bの発現制御によって個体としての血糖を調節しうるのかは依然不明であることから、正常マウスや糖尿病モデルマウスの尾静脈よりアデノウイルスを肝臓に感染させ、in vitroと同じ結果が得られるか、糖新生を介して血糖を変化させ得るかを検証する。現在、CRISPR/CAS9で作製したDyrk1BKOマウスやKIマウスの代謝表現系解析も同時に並行して検討している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 2019

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 絶食応答性キナーゼDyrk1Bを介した肝糖新生制御機構の解明2020

    • Author(s)
      満島 勝、酒井 真志人、長沼 孝雄、矢野 宏行、松川 隼也、春日 雅人、松本 道宏
    • Organizer
      第34回糖尿病・肥満動物学会年次学術集会
  • [Book] 内分泌・糖尿病・代謝内科2019

    • Author(s)
      松本 道宏、満島 勝
    • Total Pages
      8
    • Publisher
      科学評論社

URL: 

Published: 2021-01-27  

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