2019 Fiscal Year Research-status Report
Role of Autophagy in the Cellular Immunity of Biliary Atresia
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18K08535
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 武 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (20406044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
吉田 英生 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60210712) [Withdrawn]
坂本 明美 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 / 細胞性免疫 / オートファジー / ウェスタンブロッティング / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、胆道閉鎖症(Biliary Atresia: BA)と疾患コントロールの肝組織を用い、免疫組織染色を試みた。autophagyマーカーであるsequestosome-1 (p62), LC3-Ⅱ(lipidated form of microtubule-associated protein 1 light chain 3)分画とlysosome-associated membrane protein-1 (LAMP-1)の局在と発現を調べた。BAでは、コントロールに比し、肝内微小胆管でp62が有意に高発現し、かつそれは胆管上皮細胞の核上に認められた。p62とLC3-Ⅱは同じ胆管上皮細胞で共発現していたが、その局在は異なり後者は細胞質内で蓄積していることから、BAはautophagy機能、とくにautophagosomeとautophagolysosome形成までの過程で異常を有している可能性が示唆された。電顕下で胆管上皮細胞を観察すると、BAでは細胞質内に多様なautolysosomeが蓄積しており、これはautophage過程の後半であるlysosomeの機能異常を示すとも考えられる。また全血リンパ球の分離抽出を試み、細胞刺激の有無、aurophagy誘発・抑制の有無によるautophagy活性の変化を、BAとコントロールで比較した。BAのTregでは、1%FBS培養にでautophagyを誘発しても効果が有意に減弱していた、今後他のリンパ球分画でも同様な検討を試みてゆく。一方、bona fide Tregの客観的定量法としてのTreg-specific demethylated region (TSDR) assayを確立した。健常成人で、従来のFACS解析とTSDR assayを比較すると、前者でCD25highCD4+中FoxP3は>95%、後者では非メチル化は92%であった。FACSによる各白血球分画のTSDRによる非メチル化率はCD4+CD27+CD45RA+naive T細胞では7.3%、CD4+CD27+CD45RA-memory T細胞で11.3%であり、予想される非メチル化率にほぼ適合した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
末血単核球中より表面マーカー(CD4+CD25+CD127-)を用いFACS cell sorterにより、Tregを安定して分離抽出する方法を確立したが、血液量を相応に必要とする。乳幼児に同方法を適用するのは現時点では尚早と判断し、成人BAとコントロール群に焦点を絞っている。CD3/CD28によるTreg刺激前後のLC3とp62の蛋白発現レベルをウェスタンブロッティングで検討中であり、成人例ではほぼ実験結果が安定してきた。コントロール群では刺激後autophage能が約3倍に増強しているが、BAでは1.6倍に過ぎず、両者には乖離が見られている。CD3, CD4, CD8分画全般では両者の差異は明らかでなく、同乖離がTregに限定的なものか今後追求してゆく。さらにautophagy誘発因子として1%FBS環境下に各リンパ球を暴露し、autophagy機能を探索中である 一方、局所(肝組織)におけるリンパ球分画の採取が滞っており、そのautophagy能の解析が十分ではない。これまでの研究によりTregは安定して分離抽出可能であるが、他の分画成分では、蛋白レベルを調査できるほど豊富な細胞を採取することができていない。手術時の肝生検で採取できるvolumeは小さすぎ、より大きな組織片が必須と思われる。よって肝移植時の摘出肝(BAと代謝性疾患など)を用いるべく研究対象施設の拡充をはかる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後解決すべき問題は、1.全血リンパ球分画の分離抽出の更なる進展と各分画の収量増大、2.肝組織からのリンパ球分画抽出、3.電子顕微鏡による各細胞分画のautophagy評価の精度向上にある。1について、CD3, CD4, CD8, Tregの分離抽出は成し得たが、CD3とCD4の各naive/memory細胞のそれが手付かずの状態である。今後CD45RAとCD62Lの細胞表面マーカーを使い、これを進める。2ではヒト肝生検組織からの分画の純化分離は相応に難易度が高い。現在、前段階として、マウスの肝・脾臓を用いリンパ球分画の分離培養を行っており、軌道に乗りつつある。次年度は肝移植施行時に発生するvolumeの大きい摘出肝を使い、同方法にチャレンジする。分離培養後、各細胞分画におけるautophagy関連遺伝子のmRNA/蛋白発現レベルを検討する。3.では具体的に、各T細胞50個当たりのvacuoles を数え、平均size を計測し、さらに3個以上のvacuolesを有する細胞数を算出するつもりである。
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Causes of Carryover |
2019年度は、全血から採取した各リンパ球分画のLC3-Ⅱとp62のmRNA/蛋白発現を探索する予定であったが、Treg以外の分画の検討が思惑通りに進まず、結果同実験に充てた試薬類の購入を見あわせた。また電子顕微鏡を用いたautophagic vacuolesのカウントも端緒についたばかりであり、本実験まで到達していない。
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[Journal Article] Soluble factors derived from neuroblastoma cell lines suppress dendritic cell differentiation and activation.2019
Author(s)
Harada K, Ihara F, Takami M, Kamata T, Mise N, Yoshizawa H, Hishiki T, Saito T, Terui K, Nakata M, Komatsu S, Ikeuchi T, Nakayama T, Yoshida H, Motohashi S.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 110
Pages: 888-902.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 特殊病態下の輸液管理 先天性横隔膜ヘルニア2019
Author(s)
照井慶太, 遠藤真美子, 中田光政, 小松秀吾, 笈田 諭, 秦 佳孝, 勝俣善夫, 佐永田有季子, 小関元太, 大曽根義輝, 齋藤 武
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Journal Title
小児外科
Volume: 51
Pages: 1130-1133.
DOI
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