2020 Fiscal Year Research-status Report
脳転移指向性乳癌細胞株および乳癌原発組織を用いた脳転移予測バイオマーカーの探索
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18K08549
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石田 和茂 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80583541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 章 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40275540)
岩谷 岳 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (70405801)
小松 英明 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90593640)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳癌 / 脳転移 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
MDA-MB231および231BRの2細胞株間で遺伝子発現解析を次世代シーケンサーにて行った。MDA-MB231が231BRに対して10倍以上の発現差を示した遺伝子は、BC034319、CHRDL1、TMEM98、XLOC_002077、XK、F2RL2、SLCO3A1、LOC283352、CC2D2A、RORA、XLOC_012848、ACOXLの13種類であった。逆に、231BRにおいて10倍以上の発現差が認められた遺伝子は、SLC14A1、GRB14、XLOC_003832、AZU1、PDE1C、SOX30、KAAG1、IL17Fの8種類であった。それら高発現差遺伝子の生物学的機能を文献的に検索すると、乳癌細胞分裂能、能遊走および浸潤能、乳癌術前化学療法、後予後因子、乳癌予後因子、等の乳癌関連遺伝子を認める一方、機能未確認遺伝子や他癌腫関連遺伝子も含まれていた。特に、CHRDL1はMDA-MB231を用いた研究によって骨形成関連遺伝子であることが報告されており、骨転移との関連が示唆されている。また、SLC14A1は文献学的に膀胱癌との関連が示唆されていた。次にMDA-MB231および231BRの2細胞間の遺伝子変異解析を行った。現在、raw dataからノイズの削除や閾値設定を行っているため、結果の比較検討には至っていないが、明らかな変異頻度の差を複数の遺伝子で認めており、引き続き解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遺伝子発現解析と遺伝子変異解析の結果解釈についてノイズの除去や有意水準の検討等、他領域の専門科とのコラボレーションに時間を要しているため。また、ヒト切除検体を使用するため倫理委員会審査手続きにも時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現解析と遺伝子変異解析によって抽出された候補遺伝子の責任タンパク質を用いた組織マイクロアレイ実験、およびそこからさらに選別された候補遺伝子についてノックダウンもしくはトランスフェクション細胞を作成し、Yonedaらの行ったマウス実験によって転移能の変化を確認する。
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Causes of Carryover |
予定していた研究に遅延によって、後実験で使用予定の試料購入が行われていないため。
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