2020 Fiscal Year Research-status Report
乳癌センチネルリンパ節におけるmicroRNA発現解析を用いた転移予測法の開発
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18K08569
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 智博 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00636110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島津 研三 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30448039)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳癌 / microRNA / 腋窩リンパ節転移 / センチネルリンパ節 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ER陽性HER2陰性乳癌を対象とし、従来よりも精度の高い腋窩リンパ節転移予測診断法を開発するために、乳癌腋窩リンパ節転移に関わるmicroRNAを同定し、腋窩リンパ節のメカニズムを解明することである。 これまでに、ER陽性HER2陰性乳癌の原発巣(手術摘出検体)から抽出したTotal RNAを用いて網羅的microRNA発現解析を行った結果、センチネルリンパ節転移と密接に関わるmicroRNA(miR-98)を同定した。さらに、miR-98・臨床学的腫瘍径(cT)・脈管侵襲(LVI)の3因子を組み合わることで、従来の予測モデル(MSKCCノモグラム)よりも精度の高い乳癌センチネルリンパ節転移予測モデルを開発することに成功した(学会・論文発表済み)。 本モデルは、Training set100症例のみならず、Validation set100症例においても、高い精度でセンチネルリンパ節転移を予測できた。さらに、センチネルリンパ節の転移腫瘍径(マクロ転移・ミクロ転移)や、腋窩リンパ節転移の個数(1-3個・4個)に関わらず、ノモグラムが高い予測精度を示すことも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、手術前の針生検検体を用いてmiR-98とLVIを測定し、この値を上述した我々のノモグラムに入力することで、手術前にセンチネルリンパ節転移を正確に予測することが可能かどうかを評価する研究を進めてきた。まず、同一症例における手術摘出検体と針生検検体間でのmiR-98値の相関を検討した結果、双方の間に比較的高い相関を認め、我々の開発した予測モデルを針生検検体に応用することの可能性が期待される結果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
手術前の針生検検体を用いてmiR-98とLVIを測定し、この値を我々の開発したノモグラムに入力し、ノモグラムによる転移予測結果と、実際のセンチネルリンパ節の転移状況とを比較し、ノモグラムの手術前予測精度を評価する。
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