2018 Fiscal Year Research-status Report
1細胞解析法による乳癌内分泌療法抵抗性の解明-血中循環腫瘍細胞からのアプローチ
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18K08572
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 滋 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30289178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 訓子 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10738876)
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 転移・再発乳癌 / 血中循環腫瘍細胞(CTC) / RNA-seq / シングルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
(概要)エストロゲンレセプター(ERα)陽性/HER-2陰性の転移・再発乳癌は、内分泌療法に対しほとんどの症例で治療抵抗性を獲得しており、新たな治療法の開発は喫緊の課題である。原発巣から血流に流入した乳癌細胞は、転移再発までの抵抗性獲得時点でのリアルタイムスナップショットとみなすことができる。このため再発患者の血中循環腫瘍細胞(CTC)の全遺伝子を網羅的に解析し、初回手術時の原発巣の変異と比較検討し遺伝子変動を正確に把握することが最も重要である。私たちは、これまで40症例以上の原発乳癌の全エクソン領域の次世代シーケンス解析を実施してきた。本研究では、独自に開発した1細胞全ゲノム増幅法を用いて、次世代シークエンサーによるCTCのゲノムエクソーム解析を行い、体細胞変異を同定し変異遺伝子発現細胞を用いて転移・再発乳癌を再現し分子標的治療の候補分子を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血液からCTCを分離するための状況検討を行った。赤血球を溶血させ、除去し、白血球のマーカーに磁石を結合させたビーズを用いてネガティブセレクションで95%前後の白血球を除去した。残りの白血球についてセルソーター上で分離し、癌細胞のマーカー2種類で染色を行い分離する技術を確立した。その結果、白血球以外の分画で癌細胞マーカーがポジティブな分画を分取することで正確にCTCを分離する技術を確立した。シングルセル次世代シーケンス技術を検討しQuartz-seq法を用いることでシングルセルから8000遺伝子の発現解析が可能になった。そこで、ソーターで分離したCTCをシングルセルRNA-seq解析を行ったが、100前後の遺伝子しか検出されず、セルソーターを用いることでRNAの分解が促進されていた。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノムDNAは比較的安定であることから、ゲノムDNAから変異解析を行う。RNA発現解析には、細胞の安定試薬などを用いてRNAが分解されない条件を再度検討する。
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Causes of Carryover |
実験試薬などの購入に2019年度に使用する。次年度使用額が生じた理由は、購入予定の実験試薬が、実験の進行具合を考慮して、購入を見合わせたためである。
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