2019 Fiscal Year Research-status Report
膵神経内分泌腫瘍自然発生マウスモデルを用いた腫瘍免疫療法の研究開発
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18K08590
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊森 豊根 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90402635)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵内分泌腫瘍 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵神経内分泌腫瘍は膵島細胞から発生する稀な腫瘍である。緩徐な経過を示すことが多いが、肝転移が比較的頻発し、悪性の経過をたどる症例が多い。また近年膵神経内分泌腫瘍に対する分子標的薬が臨床に導入されているが、治療効果はまだ限定的である。より悪性度の高い膵内分泌腫瘍では腫瘍浸潤リンパ球に代表される腫瘍免疫が抑制されていることが報告されている。我々が開発したグルカゴン遺伝子ノックアウトマウスにおいては、膵神経内分泌腫瘍に組織学的また、生物学的態度が酷似した腫瘍が膵臓に発生し、肝転移。腹膜転移を来して腫瘍死する。このモデルでは腫瘍浸潤リンパ球がほとんど認められないことが、肝転移を高率に起こす要因と推測される。そこで、このモデルにおいて腫瘍免疫の状態を解析し、さらに腫瘍免疫を活性化することにより、肝転移抑制・生存期間延長が可能かどうかを検討する。
昨年度の研究計画のなかで挙げた、モデルマウスに生じた膵神経内分泌腫瘍の原発巣および肝転移巣における腫瘍免疫機構の活性化評価については、摘出した原発巣および肝転移巣における、腫瘍浸潤リンパ球に対してCD3 (Tリンパ球全体の表面抗原)、CD4(ヘルパーT細胞表面抗原)、CD8 (細胞傷害性T細胞表面抗原)、FoxP3(Treg特異的タ ンパク)などを認識する抗体を用いて免疫組織化学的に検討を行っているが、染色条件の設定などが定まらず、詳細な結果は未だ出せていない。 またもう一つの、免疫チェックポイント機構については、原発巣、転移巣の腫瘍細胞におけるPD-L1の発現、TILにおけるPD-1の発現についても免疫組織化学的に検討しているが、これも同様な理由により、結果を出すに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
モデルマウスで得られた検体に対する免疫染色の条件が設定できず、腫瘍免疫の検討が行えていない。また本年度予定していた、薬物による腫瘍免疫賦活化の検討も行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.免疫チェックポイント機構を阻害することにより、神経内分泌腫瘍に対する腫瘍免疫が活性化できるかどうかを検討する。 2.免疫チェックポイント阻害による腫瘍免疫活性化と細胞増殖刺激抑制の相乗作用の検討
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Causes of Carryover |
(理由)2019年度の研究計画に対して実際に試薬等に必要とした費用が、想定より少なかったため。 (使用計画)動物実験、薬物介入試験などの研究計画を遅滞なく進捗させるために、実験動物用資材、実験し薬等を適切に使用する。
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