2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel biomarkers with peptide for antibody-mediated rejection after kidney transplantation
Project/Area Number |
18K08594
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今村 亮一 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40456976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 史郎 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (70179547)
加藤 大悟 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70648021)
中澤 成晃 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (80759530) [Withdrawn]
阿部 豊文 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90750894)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 腎移植 / 慢性抗体関連型拒絶反応 / ドナー特異的抗体 / 質量分析 / BLOTCHIP-MS |
Outline of Annual Research Achievements |
腎移植後抗体関連型拒絶反応を診断するためには、現在のところ腎生検あるいは抗ドナー抗体を捕捉する抗体同定検査しかない。しかしながら前者は侵襲性が高く、少なからず合併症も存在する。後者は採血のみで簡便であるが、結果が出るまで時間がかかり、検査自体が高価である。我々は繰り返し簡便に施行でき、かつ侵襲性が少ない検査方法の開発を行うため、抗体関連型拒絶反応発症時に特異的に出現するペプチドの同定を、比較的低分子量の物質まで同定できる質量分析法(BLOTCHIP-MS法)を用いて施行した。その結果、抗ドナー抗体出現時と抗体関連型拒絶反応発現時に変動する2種類のペプチドを同定した。一方がKininogen 1であり、もう一方がFibrinogenである。腎機能正常時にはこれら2ペプチドに変動は認めないものの、抗ドナー抗体出現時には両ペプチドともに発現が上昇、抗体関連型拒絶反応発現時にはKininogen1は上昇せず、fibrinogenのみが上昇することが確認できた。我々はこの結果から、それぞれの腎生検サンプルに対し2ペプチドの免疫組織染色およびWestern blotによる定量を試みた。その結果は質量分析の結果を補強する内容であったが、その発現量には個体差があり、ドナー年齢、ドナー術前高血圧の有無、糖尿病の有無等、患者背景により影響を受けることが確認できた。以上より、本試験を各病態の評価法として使用するためには、手術直後の採血による2ペプチドの質量分析での定量を施行し、それを標準値としてその後の変動を測定することにより、診断法として使用しうる可能性が示唆された。
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